
どうも、nickです。
月曜の書籍レビューの時間です。
今回紹介する書籍はこちらになります。

今回は森山至貴氏の10代から知っておきたい あなたを閉じ込める「ずるい言葉」レビューします。
本書を読むと、子どもとの良い関係をつくるために避けるべき言葉がわかります。
子育て世代の方や保育士など子どもに関わる仕事に就かれている方、学校の教職員の方にオススメです。
大人が子供に言ってはいけない3つの言葉

本書に書かれているズルい言葉の中で、特に大人が子供に言ってはいけない3つの言葉は、次の通りです。
・あなたのためを思っていっている
・やってみればその良さがわかる
・昔はそれが普通だった
順に解説していきます。
あなたのためを思っていっている

この言葉は、親がついつい言ってしまう言葉ではないでしょうか?
この言葉のよくないところは、全く相手のためを思っていない点です。
本書には、子ども自身がこの言葉を言われた時の切り返し方が載っています。
「あなたのためを思って言っているんだよ」と押し切られそうになったら、「どうして私のためになるのか説明してほしい」と切り返しましょう。誠実な人であればきちんと説明してくれるはずです。仮に納得できなくても、そこには対話の余地が生まれるのですから無理強いよりはずっとマシです。おそらく、説明を拒絶される場合も多いでしょう。そのときは、説明する気もない人は放っておいて、自分の好きなようにすればよいのです。
森山至貴:10代から知っておきたい あなたを閉じ込める「ずるい言葉」
このように、「どうして私のためになるのか説明してほしい」と言われて、みなさんは説明できるでしょうか?
nickは、なかなか難しいのではないかと考えます。
なぜなら、「あなたのため」と言っていますが、実は「自分の子どもを都合よく操作したい」が言ってしまっていることが多いからです。
「あなたのためを思っていっている」という言葉は、子どもにいらない不信感を与えてしまうだけです。
この言葉を使うメリットは無いでしょう。
やってみればその良さがわかる

この言葉は、部活動への勧誘でよく使ってしまう言葉だと思います。
この言葉のよくないところは、子どもの決断を踏みにじってしまうところにあります。
「やってみればそのよさがわかる」が、なぜ誘い文句になるのでしょうか。こうも言いかえられます。本人がやりたいことはほかにあるにもかかわらず、「やってみればそのよさがわかる」ことを理由に、やってみるべきと言えそうな気がしてしまうのはなぜでしょうか。〈中略〉問題は、本人がやりたいことがあるとはっきり言っているのにそれとは別のことをさせようとしてしまうことです。
森山至貴:10代から知っておきたい あなたを閉じ込める「ずるい言葉」
そもそも、部活動では誰が活動するのでしょうか?
子ども本人ですよね?
放課後の時間に何をやるのかは、子ども本人が考え、選択して決めることです。
何をするか?の内容は、なんでも良いのです。
自分で決めることに、大きな意味があるからです。
本当に本人のことを思うのであれば、本人がやりたいことを応援してあげてください。
昔はそれが普通だったのに

この言葉は、年配の方がついつい言ってしまう言葉になります。
愚痴として大人の方に言うのであればいいですが、子どもに対しては使うべきではない言葉です。
この言葉のよく無いところは、「普通」にはふたつの意味を持っていることです。
「普通」という言葉は、「珍しくない」と「そうであるべき」のふたつの意味を持ってしまうがゆえにその解釈がバラバラになりやすい、やっかいな言葉なのです。特に、「昔はそれが普通」という言葉が実際にその「昔」を生きてきた人から発せられた場合は、「いまは言いにくいけれど昔のほうが望ましい」という意味がこめられている場合があります。
森山至貴:10代から知っておきたい あなたを閉じ込める「ずるい言葉」
確かに、「いまは言いにくいけれど昔のほうが望ましい」というようなニュアンスの発言はよく聞きます。
ですが、いったい何を根拠に昔の方が望ましいと言えるのでしょうか?
昔の方がよかったと言う根拠がないどころか、逆に昔の方がひどかったと言うデータもあります。
- 昔は少年犯罪は少なかった → 昭和30年代に未成年が起こした殺人事件は、現代の約6倍。
- 昔は熱中症なんてなかった → 明治30年に、小学校の夏休み前の終業式で生徒4人が熱中症で倒れている。
- 昔の日本人は老人をきちんと敬っていた → 大正13年に70歳の老婆が「電車で席を譲ってくれない」と投書で不満を漏らすも、若者からは「そんな図々しい老人には席を譲る気がしない」と反論の投書が多数寄せられた。
テレビ番組や映画の印象なのか、昔はいい時代だったという風潮が強いですが本当にそうとは言い切れないのです。
過去の記憶というのは美化されやすいものです。
そういうものだと思って、「昔はよかった」という発言は受け流すほうがいいでしょう。

昔の方がひどかったと言う例はパオロ・マッツァリーノ氏の著書、「昔はよかった」病に詳しく書かれております。

まとめ

今回のまとめは次のようになります。
・本書を読むと、子供に言ってはいけない言葉がわかる
・「あなたのために言っている」は発言者の都合にいいようにねじ曲げられた言葉である
・「やってみればその良さがわかる」は、子どもの意思や決断を踏みにじってしまう
・「昔はそれが普通だったの」の根拠はあまりなく、印象論でしかないことが多い
本書は中高生を対象として書かれていますが、大人が読んでも非常にタメになる内容となっています。
本書を読むと、子どもに対してよくない言葉掛けをしてしまっていることに気づくことができます。
大人の方もぜひ読んでみて下さい。
本書は電子書籍でも読むことができますので、お好みの形式でご覧になってください。

いかがだったでしょうか?
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( `Д´)/ジャマタ
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