
どうも、nickです。
月曜の書籍レビューの時間です。
今回紹介する書籍はこちらになります。
今回は鴻上尚史氏の「親の期待に応えなくていい」を紹介します。
本書は中高生とその親世代に向けて書かれた書籍となっています。
本書を読むことで以下のことがわかります。
- 親子関係のつらさやしんどさの原因
- 適切な親子関係の結び方の方法
- 子育て、教育のヒント
また本書は子供と親だけでなく、教員にも読んでほしい内容となっています。
それでは紹介していきます。
つらさやしんどさの原因3選
本書から読み取れる、つらさやしんどさの原因は3つあります。
- 日本特有の同調圧力と同質性
- 他者になりきれない親子関係
- 感じる必要のない罪悪感
順番に説明していきます。
日本特有の同調圧力と同質性

同調圧力の中でも、特に親子関係に影響を強く与えるものは、「親は大切にしなければならない」とか「親の期待には応えなくればいけない」という考えになります。
しかし、親を大切にすることと、親の期待に応えることはイコールではありません。
日本では「みんな仲良く」と「みんな同じように」を強要されてしまっています。
たとえば、「友達100人できるかな?」の歌や「喧嘩をしてはいけない」など仲良しの強要であったり、「男子のランドセルの色は黒」「大晦日には紅白歌合戦」「就活はスーツで行う」などのみんな同じでなければいけないないどがあります。
かつてほどではありませんが、日本ではこのような「同質性」が強く求められることが多いです。
コロナ禍の現在においては、「みんなが仲良く暮らしているのに、コロナにかかるのは裏切り者だ!」などという新たな圧力が生まれております。
「親は大切にしなければならない」とか「親の期待あには応えなくればいけない」という考えも。ある種の同調圧力であり、同質性を求められているともいえます。
しかし、そんなものに無条件に従う必要はありません。
コミュニケーションや人間関係は、0点か100点を目指すのではなく、45点や68点などを目指すでもいいのです。
なぜなら、人によってはそれくらいの点数でも満足させることができるからです。
妥協点を探ることこそが、本当のコミュニケーションなのです。
他者になりきれない親子関係

そもそも、子育てのゴールは「子供を健康的に自立させること」であります。
そして自立とは、「自分の頭で考えて行動ができるようになる」ことです。
日本は特に親と子が近くなりすぎ、共依存の関係になりやすい傾向にあります。
そのことが、子供の自立を妨げてしまう1つの原因となってしまいます。
親子といえど、他者であること思うことが、お互いに期待を過度に受け止めすぎない予防につながります。
また子供の方も、「親が1番自分のことをわかってくれている」と思い込みすぎていることも、共依存の関係を強めてしまうことにつながってしまいます。
そうなってしまうと、ずっと親に頼りすぎて自分では何も決められない人になってしまいます。
そして、親の側も気をつけなければなりません。
子供に対する期待ばかりが膨らんでしまい、冷静な分析ではなく親である自分の気持ちを優先してしまいがちの教育になりやすいのです。
それが子供へのつらさの原因になってしまうのです。
先ほどの項目のように、お互いの妥協点を見つけることがお互いのためになります。
感じる必要のない罪悪感

皆さんの中には、次のように思うことがある方はいますでしょうか?
「期待に応えないと、親に悪い気がする」
「親は私のためを思っているのに・・・」
こういった感情は、はっきりいって感じる必要はありません。
このように感じている方は、次のような言葉を親から言われてこなかったでしょうか?
「そんなことでは近所に笑われる」
「親族の方々に申しわけがない」
「世間や学校に顔向けできない」
これらの言葉によって、あなたの罪悪感は親から刷り込まれたものである可能性があります。
親も、悪気があってこれらの言葉をいっているわけではないので、親を責める必要もありません。
しかし、これらの言葉を意図的に言っている「毒親」である可能性もあります。
もし万が一、あなたの親が言葉の暴力などを行う「毒親」であった場合は縁は切ったほうがいいです。
そして、親の期待に応えないと決断した瞬間に、罪悪感は消えてなくなります。
同調圧力の項目でもいいましたが、「親のアドバイス」と「親を大切にすること」は違うことであることを意識してみてください。
nick的雑感 合わせて読むといい本

ここでは本書と合わせて読むと良い、オススメの本を紹介していきます。
どの本も人間関係にまつわる本になります。
嫌われる勇気
「人間の悩みは全て人間関係からくる」という世界の真理を説いた名著。
とりあえずこの1冊を読んでおけばいい。
というくらいわかりやすくまとまった内容となっております。
母がしんどい
かなりクセの強い母親とのやりとりを描いたコミックエッセイ。
毒親から解放されたい主人公だが、なかなかその呪縛から逃れられないといった様子が具体的に描かれている。
いかに子が家庭環境の影響を長年受けてしまうかが良くわかる作品です。
よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話
某宗教の信者の家庭に生まれた方の苦悩を描いた漫画。
親の同調圧力が子にどれほどの悪影響を与えるのかが良くわかる作品。
我々の知らない世界も同時に覗けて面白い作品です。
まとめ

今回のまとめは次のようになります。
・親子関係のつらさやしんどさは主に3つあるり、人間関係が関わっている
・同調圧力と同質性があなたを潰している
・自分で考えて行動できる人間になろう
・罪悪感はたいてい親から刷り込まれたものなので、感じる必要がない
本書は語りかけるような文章体で書かれているので、大変読みやすい書籍となっています。
自分のつらさやしんどさの原因を探るのにはぴったりだと思います。
また、親世代の方や教職員の方が読むことで、自分が良かれと思っていた言動や行動が、実は子供を追い詰めていたかもしれないということがわかるようにもなります。
本書は学生世代向けに書かれてはいますが、大人こそ読むべき書籍であるとnickは思いました。
詳しく読んでみたいと思いましたら、直接本を手に取ってみてください。
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