
どうも、nickです。
書籍レビューの回です。
今回紹介する書籍はこちらになります。
今回は金間大介氏の「先生、どうか皆の前でほめないで下さい―いい子症候群の若者たち」レビューします。
本書は、大学の教員でもある著者が講義を通して感じた、最近の若者の特徴について書かれた書籍になります。
今回は、nickが本書を読んで子どもの教育について考えさせられたことを3つ紹介していきます。
なんでもしてあげたい大人

1つ目は、「なんでもしてあげたい大人が多い」です。
大人は、何でもしてあげるのは良くないことだと薄々感じているにもかかわらず、つい手を貸してしまうものなのだ。若者に何かしてあげたいという欲 =大人の自己効力感を、若者は見事に操っている。本当に絶妙なテクニックだ。テクニックは使えば使うほど、その切れ味を増す。かくして、してもらい上手が次々と生まれる。
金間大介:先生、どうか皆の前でほめないで下さい―いい子症候群の若者たち
この傾向は学校現場や学童保育の場でよく見られます。
小学生以上であれば、よっぽどの支援がない限り自力でできないことはありません。
大人の勝手な思い込みで「これはできないだろう」と判断して子どもに経験の場を奪うことは、あまりよろしくないと思います。
大切なことは、どのように子どもでもできるように支援するのか?環境を整えるのかを考えることだともいます。
実は子供にいいように使われているのではないか?
少し振り返ってみてください。
子どもに対する大人の嫉妬

2つ目は「子どもに対する大人の嫉妬」です。
私の意見だが、日本人にとって学習とは義務に近い位置づけにあると思う。 「子どもは勉強するのが仕事」なんて言う人がいるが、的外れもいいところだ。しかしながら、日本の子どもの学習環境は文字どおり仕事に近い。宿題という「ノルマ」があるのが象徴的だ。この「勉強 =仕事」という概念が大人になってもまったく抜けない。それが問題だ。
金間大介:先生、どうか皆の前でほめないで下さい―いい子症候群の若者たち
「子どもは勉強するのが仕事」の一言には、子どもに対する大人の嫉妬が隠れているとnickは思います。
汗水垂らして働いているのに、子どもは遊んでばかりでズルい。
せめて勉強で苦しむべきである
こんな考えが見え隠れしているように感じます。
子どもには人間関係や生きづらさなど、子ども特有の苦労があるのです。
勉強を仕事と結びつけているのは、大人の勝手な思い込みなのです。
子どもは大人をマネて育つ

3つ目は「子どもは大人をマネて育つ」です。
多くの場合、親の思考が子どもに多大な影響を与える。 したがって、私の解釈はこうだ。 挑戦が成長につながることを実感できないのは大人であり、一度失敗すると這い上がれないと思っているのも大人であり、既得権信者もやはり大人である。 大人たちがそう思っているからこそ、それが子どもたち、若者たちに空気感染する。
金間大介:先生、どうか皆の前でほめないで下さい―いい子症候群の若者たち
ここで押さえておきたいことは、子どもは大人をマネて成長するという点です。
いじめ、自殺、不登校など学校で起こる多くの問題は大人の世界でも起こっていることです。
子どもの不適切な行動は、周囲の大人の影響を強く受けている可能性が高いです。
特に親兄弟からの影響が強いです。
子どものことよりも、まずは自分とその周囲に目を向けてみてください。
子どもが荒れる原因が、ひょっとしたら見つかるかもしれません。
まとめ

本書は決して「このように教育するといい」と書かれた教育書ではありません。
ですが、子ども教育に関わっている方が読まれると危機感を感じざるを得ない内容となっております。
本書は保護者の方だけでなく、教員や学童保育に関わっておられる方に読んでいただきたい1冊となっております。
電子書籍でも読むことができますので、お好みの形式でご覧になってください。

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