
どうも、nickです。
月曜の書籍レビューの時間です。
今回紹介する書籍は以下になります。
今回はアンデシュ・ハンセンのスマホ脳を紹介します。
この本では、なぜ人はスマホが気になって仕方がないのか?そして、nick的雑感として最近取り上げられることの多いタブレットを使用した教育について語っていきたいと思います。
スマホが気になるのは当たり前

著者は本書において、スマホが気になってしまうのは人間の脳の仕組み上仕方のないことであると語られています。
ここであなたの脳は、数十万年かけて進化した通りに機能しているだけだ。チャットの着信のような不確かな結果には、ドーパミンというごほうびを差し出す。そのせいで、スマホを見たいという強い欲求が起こる。脳は新しい情報も探そうとする。特に、犯罪事件の記事のように感情に訴えてくる、危険に関する情報を。アプリのお知らせは、社会とつながっていると実感させてくれる。脳は、あなたの話に他人がどう反応したか──投稿につく「いいね」──にも集中を注がせようとする。 もともとは生き残り戦略だったはずの脳のメカニズムのせいで、人間はデジタルのごほうびに次々と飛びつく。それが文章を書く邪魔になるからといって、脳は気にも留めない。脳は文章を書くためにではなく、祖先が生き延びられるように進化したのだから。
アンデシュ・ハンセン:スマホ脳
スマホを触りたいであるとか、スマホが気になるといった感情はドーパミンによって引き起こされます。
このドーパミンが脳内で分泌される条件として、不確かな結果が上げられます。
不確かな結果とは、次にお話する「かもしれない」という感情になります。
この「かもしれない」が中毒を引き起こすのです。
「かもしれない」が中毒を生む

いいねがついているかもしれない。ブログが読まれているかもしれない。動画が再生されているかもしれない。コメントがついているかもしれない。
これらの「かもしれない」、ギャンブルと同じことなのだそうです。
当たるか当たらないかがわからない状況で賭けが当たると、ドーパミンが脳内に分泌されます。
これと同じことがSNSでも発生してしまいます。
いいねやコメントが付くか付かないか、わからない状況でいいねやコメントが付くと、ギャンブルと同じ様にドーパミンが分泌されます。
これによって、ギャンブルと同じ様な理屈でSNS中毒になってしまうのだと著者は語っております。
「今日は当たるかもしれない」と「いいねが付くかもしれない」「コメントが付くかもしれない」は同じことなのです。
スマホの回収預かりは科学的に正しかった?

実験の結果によると、スマホがポケットやかばんに入っているだけでも集中力が削がれることがわかりました。
そして、集中力が削がれない一番いい方法は「スマホを別室に置く」ということでした。
スマホを近くに置いたままテストを行った場合と、スマホを別室に置いてテストをした場合とでは、別室に置いた場合のほうがテストの成績が良かったそうです。
このことから、学校におけるスマホの回収保管は理にかなったものであるといえます。
(名目上は「貴重品だから」であるが・・・結果オーライ?)
集中力だけでなく、学習の成果もスマホによって削がれてしまうことがわかります。
そして脳がハッキングされる

学習だけではなく、スマホが我々に与える影響は意思決定の場面にまで及びます。
著者は次のように語られています。
研究を通して見えてきたのは、いい加減な設定のパソコンがハッキングされやすいのと同じように、私たちの脳もハッキングされる可能性があることだ。賢い企業はとうにそれをやってのけている。私たちの注目を奪う製品を生み出すことによって。ポケットからスマホを取り出すたびに、自分の意思で取り出したと思っているならそれは大間違いだ。フェイスブックやスナップチャット、インスタグラムを運営する企業は、私たちの脳の報酬系をハッキングすることに成功したのだ。
アンデシュ・ハンセン:スマホ脳
これはどういった意味なのでしょうか?
SNS上の誰かのコメントや大量に浴びせられる広告など、スマホをみれば数多くの情報を無意識のうちに浴びれられています。
これはスマホに限ったことではなく、テレビなども同じであります。
番組で紹介された商品が、次の日には店頭から消えてなくなってしまうということは過去に何度もありました。
テレビで紹介されていたからといって、自分にとって本当に必要な物なのでしょうか?
Twitterで話題であるとか、多くのインフルエンサーがいっているからといった理由で自分の行動を決めていないでしょうか?
皆さんの意思や選択は、本当に自分の内側から発せられたものなのでしょうか?
ハッキングとはこういった意味ではないかと、nickは解釈します。
スマホと距離を置くための4つの方法

では、スマホと距離をおくためにはどうすればいいのでしょうか?
ここでは4つの方法を紹介します。
運動をする
いろんな書籍でも言われていますが、運動をすることで肉体的にも精神的にも健康になる事ができます。
本書では週に3回、合計45分の運動が、一番効果的であると述べられています。
しかし、時間はこれより短くても十分に効果があるそうです。
内容についてもなんでもいいそうです。
散歩、ランニング、筋トレなどなど・・・
大切なことは、習慣として続けられることです。
短時間でも、ものすごく低いハードルの内容でもいいので、体を動かす週間を身に着けて下さい。
SNSのフォローを絞り込む
YouTubeでは有益な情報を発信している方でも、Twitterでは正直そうでもなかったりすると思うことはよくあるのではないでしょうか?。
SNSのフォローを絞り込むことで、チェックしなければならない項目を減らすことができます。
誰からの情報であるかよりも、自分にとって大事な情報のみに目がいくように設定してください。
また、ネガティブな情報はとくにシャットアウトしましょう。
スクリーンタイムの活用
スクリーンタイムの機能を使い、アプリを使用出来る時間帯や、1日に使える長さを制限するのも1つの手です。
とくに、子供をスマホから遠ざけたいのであればこの方法は効果的であると思います。
ペアレンタルコントロールを利用すれば、保護者が使用している端末から、子どもの使用している端末たアプリの使用制限をかけることができます。
強制的に制限をかけることに抵抗を持たれる方もいるかも知れませんが、そこまでしなければスマホと距離を置くことは難しいです。
スマホと距離を置くことは、想像以上に難しいということを押さえておいて下さい。
瞑想もオススメ
これは本書では触れられていないのですが、nick的には瞑想を取り入れることをおすすめします。
nickはApple Watchのマインドフルネスを使っています。
瞑想している間はスマホから離れることができます。
内容は5分間目を閉じて深呼吸するというだけのものです。
目を閉じて黙っているだけでも、頭がスッキリします。
瞑想のやり方は、Apple Watchのアプリでなくともいいと思います。
瞑想の方法はたくさんあるので、本やYouTubeで調べてみて下さい。
nick的雑感 タブレット教育について

ここからは、急速に準備が進められているタブレットを使用した教育について、本書を参考にnickの考えを述べさせていただきます。
幼児教育には向いていない
本書の中でタブレット教育について少しだけ触れており、幼児教育(主に幼稚園や保育園での教育)には向いていないと言及されています。
皆がキーボードを使う今、手で書いたり、きれいな字を書く練習をするなんて何の意味もないように思えるかもしれない。だから、教室の窓から文字の練習帳を投げ捨てて、代わりにタブレット端末やパソコンで書くことに集中しよう!もちろん、すでに書くことのできる大人はそれでいいだろう。しかしまだ書くことを習得していない場合は、ペンを使って練習をすることで文字を覚えていく。就学前の子供を対象にした研究では、手で、つまり紙とペンで書くという運動能力が、文字を読む能力とも深く関わっているのが示されている。
アンデシュ・ハンセン:スマホ脳
幼児のとってはペンを握って紙に書くということでも、いい運動になります。
なので、小学校入学まではアナログの遊びをたくさんさせるのがいいのです。
「ゲームは1日1時間」はあながち間違いではなかったのかもしれませんね。
香川県のゲーム条例の件はちょっと行き過ぎだとは思いますが・・・
小学校、中学校の児童、生徒にタブレットを配布について
義務教育下の小・中学校において、児童生徒にタブレット端末を配布することが決まっております。
いわゆる「GIGAスクール構想」という政策の1部にあたります。
小・中学校におけるタブレットの話はよく話題に上がりますが、高校や大学でのタブレット教育についてはあまり触れられていないような気がします。
nickは小、中はタブレットで授業をするけど、高校に入るとアナログの授業に戻ってしまうのではないかと不安に感じております。
自治体ごとに配布を決めているところもあるようですが、自治体まかせで本当にいいのでしょうか?
「高校は義務教育じゃないから」ということなのだろうか?
私立学校では入学時にタブレットを購入してもらい、卒業後は生徒の私物にできるようにする学校もあるようです。
しかし、すべての私立学校が今すぐ生徒にタブレットを配布、または購入を家庭にお願いするのは難しいでしょう。
あっちの学校ではタブレットを無償で使わせているが、こっちの学校は全額家庭が負担している。
なんてことは無いほうがいいとは思いますが・・・
何のためにタブレットを使わせるのか?
コロナ禍における休校や分散登校などで「リモート授業」が話題となったことで、タブレット配布の準備が急速に進みました。
ですが、そもそも何のために児童生徒にタブレットを使わせるのでしょうか?
児童生徒にとってタブレットは、ゲーム機または動画を見るための機器という側面が強いように思います。
タブレットを配布して児童生徒に何をさせるのでしょうか?
使用するタイミング、時間、アプリの内容、自宅への持ち帰り。
これらがハッキリさせなければ、生徒をただ「タブレット中毒」にさせるだけだとnickは思います。
本書の内容は、なにもスマホに限った話ではないと思います。
使わせる側の大人が適切なタブレットの使い方を教えてあげなければ、
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