
どうも、nickです。
月曜の書籍レビューの時間です。
今回紹介する書籍はこちらになります。
今回はヘンリー・D・ソローの「森の生活」をレビューします。
本書は、著者が2年2ヶ月2日に渡って小屋で送った自給自足の生活を振り返って書かれた本になります。
この本には、現代のミニマリズムに通じるような考え方がたくさん書かれております。
その中から、nickが特に共感した思考を3つ紹介したいと思います。
今現在ミニマリストの方やミニマリズムに興味がある方は、ぜひご覧になって下さい。
ソローとは何者?

ヘンリー・デイヴィッド・ソロー(Henry David Thoreau、1817年 – 1862年)は、アメリカ出身の作家・思想家です。
彼はハーバード大学を卒業後、家業の鉛筆製造業、教師、測量の仕事に従事しました。
しかし、生涯を通じて定職につかず、産業の発達していく人間社会に対して疑問を抱き続けていました。
そして、彼はマサチューセッツ州コンコードにあるウォールデン池畔の森の中に丸太小屋を建て、自給自足の生活を2年2か月間送りました。
その時の生活の様子や、ソローが感じたこと、わかったことをまとめたのが本書になります。
自給自足の生活から学ぶ3つのミニマルな思考

ソローが隠居生活から学んだことが書かれた本書の中から学ぶ、3つのミニマルな思考は次の通りになります。
・本当に大切なものは「食べ物」だけ
・乗り物なんて、なくてもいい
・モノやお金のための人間関係は、いらない
順に解説していきます。
本当に大切なものは「食べ物」だけ

ソローは森の生活から、人間にとって本当に必要なものは食べ物しかないと語っています。
森にこもって原始の生活を体験してみると、生活に最低限必要なものとはなにか、それらを手に入れるにはどうすればいいかがよくわかる。これがないと生活できないという、身のまわりの品はなんだろう? それを考えれば、いくら時代が進歩しても、ぼくたちの生活を根本的に支えているものは、昔となんら変わらないと気づくはずだ。〈中略〉そう考えると、ぼくたち命あるものにとって、それはただひとつ「食べ物」しかない。
ヘンリー・D・ソロー:森の生活
我々は、働けば働くほど食べ物が必要になっているのです。
また、次のようにも語っています。
ぼくは、紅茶もコーヒーも飲まない。バターもミルクも肉も食べない。だからそれを買うために働く必要がない。働く必要がないと、お腹もあまり減らないのでたくさん食べようとも思わない。ほんのわずかな食費ですむ。ところがコーヒーが飲みたい、肉が食べたい、と欲が出だすと、それを買うために必死で働かなければならなくなる。そして働くともちろんそのぶんお腹も減るので、たくさん食べずにはいられなくなる。そして結局、豊かになるどころか、働けば働くほど貧しくなっていく。いつまで経っても満たされないだけでなく、自分の命をお金のためにすり減らすことになるのだ。
ヘンリー・D・ソロー:森の生活
「働けば働くほどお腹が空く」というのはなんとなくわかりますが、目からウロコの発言です。
確かにnickも、教員の仕事をしていた時よりもニートしていた時の方がお腹が空くことがありませんでした。
労働と空腹は、天秤のようなバランスで成り立っているということなのでしょう。
乗り物なんて、なくてもいい

ソローの考察の中には、現代のテレワークを予言したかのような発言が残されています。
もしぼくたちが、枕木を切り倒すのも、レールを敷くのも、昼夜を問わず工事をするのもやめれば、だれが鉄道を作ってくれるだろう? 鉄道がなければ、頃あいよく天国にたどりつくこともできない。でも、みんなが家で自分の仕事に打ち込めば、そもそも鉄道など必要だろうか?ぼくたちが鉄道に乗っているのではない。鉄道が、ぼくたちに乗っかっているのだ。列車の走る枕木が、どんなものか見てみたことはあるだろうか? 実はその一つひとつは人間で、アイルランド人だったりアメリカ人だったりするのだ。
ヘンリー・D・ソロー:森の生活
そもそも家の外で仕事をすることがなければ、電車や車などは必要ないとソローは語っています。
そして、電車やそれを走らせるための線路は、我々の労働によって生み出されているのです。
労働が労働を呼ぶ。
これはある意味悪循環であります。
モノやお金のための人間関係は、いらない

ソローは人間関係についても、考えさせられる提言をしておられます。
人は、お金やモノを得るために、あの手この手で相手の機嫌を取ろうとする。嘘をついたり、お世辞を言ったり、支持したり、やたら縮こまりかしこまっているかと思えば、見せかけだけの気前のよさをひけらかす。それもこれも、すべては、相手の持っているモノやお金に目がくらんでのことだ。
ヘンリー・D・ソロー:森の生活
お金やモノを切り離したとしても、関わりが途切れない知り合いはどれだけいるのでしょうか?
先月北海道から本州に移住してきたnickの場合は、片手で数えられるくらいしか残っておりません。
ニートの時期も、その時所属していた吹奏楽団の方としか関わりがありませんでした。
お金やモノへの執着が減ると、人間関係までもがミニマルになるのです。
仕事やお金が絡む人間関係を除いた時に、残った人たちこそが自分にとって重要な人たちなのかもしれません。
まとめ

今回のまとめは次のようになります。
・本書は著者が自給自足生活で分かったミニマルな思考がまとめられている
・人は必要な分だけの食べ物が食べられれば十分なのである
・そもそも家から離れることがなければ、乗り物は必要がない
・モノとお金が絡んでこない人こそが、最も大切な人間関係である
ソローの思想は、現代のミニマリズムに通じるものがあり、今まで読んできたミニマリズムの本当は違った観点でミニマルライフを勉強することができます。
今までとは違ったミニマリズムに触れたい方は、ぜひ本書をお読みになって下さい。
本書は電子書籍でも読むことができますので、お好みの形式でご覧になってください、
コメント