
どうも、nickです。
今回は「食事を見直すと人生が変わる」と題して、五観の偈(ごかんのげ)という言葉について解説していきます。
典座教訓と五観の偈
禅宗の開祖である道元は、修行先の中国での経験の影響により「食」に対して強いこだわりがありました。

そのこだわりようは、禅寺において「食」を担う役職として「典座(てんぞ)」という役職があるくらいです。
また道元は、その典座の行うべき職責を細かく記した『典座教訓(てんぞきょうくん)』という本を残しました。
道元はそれ以外にも食に関する5つの思想をまとめました。
それこそが、今回紹介する五観の偈(ごかんのげ)です。
五観の偈は、禅宗において食事の前に唱える5つの言葉になります。
この5つの言葉は、何気なく食べている食事を通して人生を見直すきっかけを与えてくれます。
五観の偈の言葉
今回紹介する五観の偈の5つの言葉は、次の通りです。
- 食事が調うまでの多くの人々の働きに感謝をします
- 自分の行いがこの食を頂くに価するのか反省します
- 心を正しく保ち、3つの過ちを持たないことを誓います
- 食とは正しい健康を得るためにいただくのです
- この食事を頂くのは、己の道を成し遂げるためです
順に解説していきます。
食事が調うまでの多くの人々の働きに感謝をします

「食」にはとても多くの人が関わっています。
例えば作る人、運ぶ人、売る(管理)する人などです。
この方々のどれかが欠けていては、自分の手元に食事はやってきません。
ここではそのことに感謝をしなさいと説いています。
これは食事に限らず、水や電気などの公共サービスも同じであります。
自分以外のさまざまなモノやコトには多くの方々が関わっています。
普段当たり前のように受けていることを当たり前だと思わず、どれだけの人の助けがあって手元にきているのかを改めるための一文であるとnickは思います。
自分の行いがこの食を頂くに価するのか反省します

この言葉は、自分の手元に届いた食事にたいして「頂くだけの活動をしているか?」と自身に問うための言葉であります。
ですが、ここでの反省はネガティブな意味の反省ではないとnickは思います。
「あれはよくなかったから、これからこうしよう」などといったポジティブな意味の反省であると捉えています。
手元に届けられた食べ物に感謝をし、その気持ちをどのように他人や社会に返していくのか?
そのために自分には何ができるのか?
そんなことを振り返るための一文であると、nickは考えています。
心を正しく保ち、3つの過ちを持たないことを誓います
ここでいう3つの過ちとは、仏教における三種の煩悩である「貪(とん)・瞋(じん)・癡(ち)」のいわゆる「三毒」のことを指しています。

三毒はそれぞれ貪欲、憎しみ、愚かさを意味します。
これは、いたずらに美食、暴食をしてはならないことを、ここでは意味しています。
また日々の生活において、これら3つの感情に自分が支配されていないかを問うています。
食事の時間というのは「禅」の時間でもあります。
昨日までの自分の感情を振り返ることは、今日の穏やかさにつながっていきます。
じっくりと食事をしながら、自分が三毒に支配されていないか振り返ってみてください。
食とは正しい健康を得るためにいただくのです

そもそも、なぜ食事をとらなければならないのでしょうか?
それは、正しい健康を得るためにいただくのです。
ただ空腹を満たすためだけに食べるわけではありません。
では正しい健康とは、どのような状態のことなのでしょうか?
nickは「病気や不調にならない体になること」だと思います。
「食べたいから食べる」
それではいけないのです。
人の体は食べたもので作られます。
なので、「何を食べるか?」がとても大切になります。
忙しい毎日を過ごしていますと、ついついコンビニ弁当やカップ麺などで食事を済ませてしまいがちです。
たまには自炊をしてみる、あるいは少々高いお金を払っても誰かにきちんと作っていただいた食事をしてみてはいかがでしょうか?
この食事を頂くのは、己の道を成し遂げるためです

この一文はnickが一番好きな言葉になります.
食を通して得た正しい心と体で、一体何をするのか?
nickの場合は楽譜や動画の作成、楽器演奏やレッスンを通して人の役に立ちたいを思っております。
その道を成し遂げるために、1日1食の食事をとるようにしております。
この食事から得られたエネルギーで、いったい何をするのか?
この一文からは、ただ漫然と生きてはいけないことを問われているように感じます。
みなさんの「道」はなんでしょうか?
その「道」を成し遂げるために、どのような食事をとっていますでしょうか?
そう考えると、どのような食事をこれからするべきなのか見えてくるのではないでしょうか?
まとめ

以上が五観の偈の五つの言葉になります。
どの言葉も、現代を生きる日本人にとって重要かつ欠けていることを説いているように感じます。
五観の偈の言葉に共感を得たnickは、食事の内容を見直し、1日1食ではありますがきちんと自炊をしゆっくりと食べる時間を確保するようにしました。
また食べる時はYouTubeを見ながらなどのながら食べをやめ、ただ食べることにのみ集中するようにしました。
そのおかげなのか、コロナ禍であっても特に体調不良を起こすことがありません。
また、集中力も以前よりも増したと感じています。
食事の内容や方法を見直すことで、心身ともに強くなれるのです。
なのでみなさんも、少しずつでよいので「食」について見直してみてください。
食事と禅について学べる本
最後に、食事と禅について学べる本を紹介します。
食禅 〜心と体をととのえる「ごはん」の食べ方〜
食事と禅の関係についてわかりやすくまとめられている書籍になります。
内容も難しくなく、読みやすいのでおすすめです。
典座教訓
道元が記した典座の仕事内容と心構え、そして「食」に対する考えをまとめた本になります。
現代語訳されてた状態で書かれていますので、それほど難しくなく読むことができます。

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( `Д´)/ジャマタ
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