
どうも、nickです。
音楽レビューの時間です。
今回紹介する楽曲はこちらになります。
今回は寺尾紗穂さんのシングル「放送禁止歌」を紹介していきます。
こちらのCDは寺尾紗穂の自主制作シングルになります。
この曲に収められた曲は、どれも放送禁止用語が使われているということで別CDでは修正を余儀なくされました。
それらの曲を無修正で収録したのが本作品になります。
今回は本作品に収められた曲の紹介と、放送禁止用語について語っていきます。
放送禁止用語とは?

そもそも放送禁止用語とはなんなのか?
Wikipediaには次のように書かれています。
放送禁止用語(ほうそうきんしようご)とは、テレビやラジオなどのマスメディアにおいて、何らかの理由によりその放送における使用が禁止されている言葉のこと。今日の日本ではごく一部の例外(電波法に規定されているもの)を除き、法によって明文化された放送禁止用語は存在せず、単なる放送事業者の表現の自主規制である。
Wikipediaより
このように、日本の放送においては放送禁止用語というものは存在しません。
あくまでメディア側が「この言葉はいかん!」と思ったら規制しているだけになります。
本作品で放送禁止に引っかかった言葉

ここからは、実際に本作品で放送禁止に引っかかった言葉と曲を紹介していきます。
土方
1つ目は一曲目の「アジアの汗」の曲で使われている土方になります。
〈修正前〉
なお、修正された方のバージョンはこちらになります。
〈修正後〉
寺尾氏が土方さんを差別したくて使った言葉ではないのは、曲を聴いていただければわかると思います。
なぜこの言葉が差別用語なのか?
「土方」は建設業者およびその従事者を指す言葉として古くから使われていました。
ですが、この言葉は上下関係のを強要する傾向がとても強いとされています。
特に、戦前や戦後の成長期に、日雇い労働者を中心とした建設業従事者に対するイメージ(3Kや暴力団との癒着疑惑、粗雑な労働環境など)が、土方という言葉を差別用語として忌避する原因となりました。
美輪明宏氏の「ヨイトマケの歌」も上のような理由でメディアに流すことができなかったそうです。
びっこ
2つ目は、2曲目の「家なき人」で使われたびっこになります。
この歌は彼女が出会ったホームレスの方との出会いを元に書かれた曲です。
びっことは、なんらかの理由で片方の足が不自由な方のことを言います。
ですが、かつて蔑称として使われていたため「びっこ」は放送禁止用語として扱われています。
歌で歌われているホームレスの方が、どのような経緯で片足が不自由なのかはわかりません。
しかし、「不自由な方の足を隠す」という表現があるため、歌の中で歌われているホームレスの方は足が不自由なことに負い目を感じていることがわかります。
竹田の子守唄
3つ目は竹田の子守唄です。
こちらは言葉ではなく、曲そのものが放送できないとされていました。
竹田の子守唄(たけだのこもりうた)はもともと京都府の民謡になります。
作曲者が採集したのがたまたま竹田地区というところだったため『竹田の子守唄』と命名されました。
ですが、竹田とは京都の被差別部落地区の名前であり、その周囲で歌われていた労働歌であったため、放送禁止歌に指定されてしまいました。
なお、正しくは「守り子唄」であり、子供を寝かしつけるのではなく、子守として奉公に出され、学校へ通ったり遊んだりする余裕のない10歳前後の少女の心情が唄われています。

寺尾氏は他にも子守唄を多数歌っております。
なぜここまでしてCDを作成したのか?

ここからはnickの考察を交えながらなります。
寺尾氏は、対象となった言葉を別の変えるのではなく上から塗りつぶすという手段をとった。(割と雑めに)
なぜ自主制作してまでこれらの歌をCDにして発表したのでしょう?
nick的に考えられる理由は次のとおりです。
- メロディと韻との都合
- 差別したくてその言葉を使ったわけではないから
- その言葉ではなければならないと思ったから
この中では「その言葉ではなければならないと思ったから」線が一番強いのではないかとnickが推測します。
おそらくですが、これらの放送禁止用語を使わなければ虐げられて人たちを表現するには不十分と思われたのではないでしょうか?
子どもには見せるな、聞かせるな

では今後差別用語とどう向き合っていくべきか?
差別用語を無くしたいのなら、今の子どもたちには言葉を見せたり、聞かないように大人が気をつけるべきであると思います。
そもそも、現代の子供たちはこれらの言葉を知っているのでしょうか?
ほとんどの子供は知らないのではないでしょうか?
差別用語の無くしていきたいのであれば、今の子供たちには触れないようにする方が良いとnickは考えます。
そうしなければ、いつまでもこれら言葉がなくなっていかないからです。
Wikipediaの差別用語をまとめたページ見ても、nickには聞いたこともないような差別用語も多々ありました。

これは単にnickが部落と関わりのない人生を送ってきただけかもしれませんが・・・
知らないまま、和歌のように昔の言葉として認識させていった方がいいのではないでしょうか?
差別用語として大人が子どもに刷り込ませる必要は、nickはないと考えます。
大人達が使ったり、見せなければ差別用語はいずれ消滅するのではないでしょうか?

ただ、「風化させてはならぬ」という層もいるので、なかなか難しいかもしれませんが・・・
差別用語の問題解消は、まだまだ先にことになりそうです。

いかがだったでしょうか?
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( `Д´)/ジャマタ
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