【実はキノコ博士】キーボードはここから誕生した?20世紀最大の作曲家による奇抜なピアノ曲を紹介!

現代音楽
nick hosa
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どうも、nickです。

木曜の音楽レビューの時間です。

今回紹介する楽曲はこちらになります。

今回はジョン・ケージの「プリペアド・ピアノのためのソナタとインターリュード」という作品を紹介します。

本作品はピアノに特殊な加工を施して、打楽器のような音色に変えて演奏されるピアノ曲となっています。

この発想は後の世代に大きな影響を与えました。

作曲者の紹介

作曲者のジョン・ケージ(John Cage 1912年 – 1992年)は、アメリカ出身の現代音楽の作曲家です。

彼は20世紀最も大きな影響を与えた音楽家の一人と言っても過言ではありません。

ケージは常に奇抜なアイディアで、クラシック音楽界に一石を投じ続けました。

演奏しない楽譜

彼の作品には「4分33秒」という一切演奏をしないという曲があります。

超名門オーケストラのベルリン・フィルによる快演。

4分33秒ついては、かつて「トリビアの泉」という番組でも取り上げられました。

楽譜にそう書いてるんだから仕方がない。

占いで作曲?

また、ケージの「易の音楽」という曲では易経占いを用いて作曲をするという試みを行いました。

陰と陽の組み合わせで運勢を占う。

「易の音楽」では占いの結果で作曲を行い、演奏するというものです。

しかし、ケージは占いができなかったのでコインで代用したそうです。

陰と陽をコインの表裏に置き換え、コイントスの結果で作曲を行いました。

この試みは後に、表裏が0と1に起き変わることによってコンピューターによる自動作曲への道筋を示すことになります。

作品の紹介

本作品の奇妙なサウンドは、プリペアド・ピアノという特殊な加工を施したピアノによるサウンドになります。

プリペアド・ピアノとは?

プリペアド・ピアノとはグランドピアノの弦に、ゴム、金属、木などを挟んだり乗せたりして音色を打楽器的な響きに変えたものをいいます。

セッティングの様子。具体的なセッティング方法は後述。

プリペアド・ピアノの発想は、ケージがダンス音楽を打楽器アンサンブル作曲しようとしていたが、公演場所のスペース狭かったため打楽器を大量に使用することができなかったことがきっかけでした。

そこでピアノで打楽器の代用ができないか試行錯誤をした結果、プリペアド・ピアノを考案するに至りました。

その時に作曲した「バッカスの祭」
踊り付きの映像。怪しい。

「プリペアド・ピアノのためのソナタとインターリュード」ではグランドピアノの88音のうち45音に、次のような加工が施されています。

・各種ボルト25(家具用ボルト6、大ボルト3、中ボルト5、小ボルト1、指定のないボルト10)
・ねじ23
・ナット6(ねじ用3、家具ボルト用3)
・プラスティック片4
・ゴム15
・消しゴム1

また「左と真ん中の弦の、ダンパーから14.1/2インチ(約17.9cm)のところにボルト」といった具合に1音ごとに取り付ける材料、取り付ける弦、取り付け位置などが細かく指定されており、作曲者の強いこだわりが感じられます。

現代においてはアナログな方法ですが、この発想はのちにシンセサイザーなどのキーボードによって電子化されて発展していくことになります。

キーボードならボタン1つであらゆる音色に変えられます。

このように、ケージの一見奇抜に見える発想は、後世に多大な影響を与えました。

プリペアド・ピアノを使った他の作品

本作品はサブスクサービス以外にも、CDやMP3などのメディアでも視聴が可能となっております。

興味がありましたら、↓より購入されてください。

また、今回紹介した以外にも、ケージはプリペアド・ピアノのための作品を作曲しております。

様々なメディアで聞くことができますので、興味がありましたらぜひお聴きになってください。

Markus Hinterhauserの「Cage: Works for Prepared Piano」
アルバム・1998年年・27曲


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いかがだったでしょうか?

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( `Д´)/ジャマタ

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