
どうも、nickです。
月曜の書籍レビューの時間です。
今回紹介する書籍はこちらになります。
今回は藤田絋一郎氏の「手を洗いすぎてはいけない~超清潔志向が人類を滅ぼす~」を紹介します。
今回は本書の中から、免疫力を高めるための3つ紹介したいと思います。
その3つは以下のになります。
①手洗いは水だけにしろ
②腸内細菌の環境を整えろ
③「バッチイこと」をしろ(特に子ども)
手洗いは水だけにしろ

1つ目の方法は「手洗いは水だけにしろ」になります。
なぜ水だけでいいと筆者は言っているのでしょうか?
それは、「現在売られている薬用石けんやボディーソープなどは皮膚にとって強力すぎるから」だそうです。
皮膚には常に菌が存在する

人間の皮膚には様々な種類の常在菌がいます。
これらの常在菌は、皮膚から出る脂肪をエサにして脂肪酸の皮脂膜を作り出してくれています。
これによって皮膚の表面は弱酸性に保たれ、病原体が付着するのを防いでくれているのだそうです。
ちなみに人の体は9割が細菌で、人の部分は1割にも満たないのだそうです。
1日1回石けんを使うだけで十分

筆者が言うには、昔ながらの固形石鹸でも菌の9割は取り除けるのだそうです。
この9割が十分と思うか足りないと思うかは人それぞれだと思います。
ですが、薬用石鹸やボディーソープなどは除菌効果が非常に強力なため、必要以上に皮膚の常在菌を除去してしまうと筆者は主張しています。
そうすると、皮膚の常在菌は皮脂膜を作り出すことができなくなり、その結果感染症を引き起こしやすい皮膚になってしまうのだそうです。
また、弱酸性のハンドソープなどを使っている方も気をつけて下さい。
弱酸性は肌に優しいとは言え、その除菌効果はとても強力です。
必要以上に菌を取り除いてしまっては元も子もないのです。
最高の手洗いの方法

筆者が推奨する免疫力を強化する手洗いの方法は
両手で軽くこすりながら流水で10秒間流す
これだけで良いそうです。
筆者曰く、よく推奨されている手順がたくさんあるような手洗いの方法はやりすぎなのだそうです。
手の洗いすぎは皮膚の乾燥を招き、それが原因で病原性の菌やウイルスがかえって繁殖しやすい状態になってしまいます。
腸内細菌の環境を整えろ

2つ目の方法は「腸内細菌の環境を整えろ」になります。
なぜなら、腸の状態が免疫力に大きく影響を与えるからです。
日本人に起きている腸の異変

腸内細菌の役割は以下の通りになります。
- 食べ物の消化、吸収、便の形成
- 免疫機能の維持
- 有害物質の排除
- ビタミンの合成
- 必須アミノ酸の合成
- ホルモンの合成
- 脳内伝達物質の合成
- 酵素の合成
- 腸の蠕動運動の促進
これほどのことを腸内の細菌が行ってくれているのです。
ところが、現代人の腸内細菌はかつてに比べて減ってきているそうです。
それは今までに比べて、日本人の大便の大きさが小さくなっていることからわかるそうです。
日本人の大便の量は、戦前に比べて半分以下にまで少なくなっているそうです。
腸内の細菌が少なくなると「リーキー・ガット」という症状を引き起こし、腸内に細かな穴が空いてしまう。
腸内に穴が開くと、栄養素だけでなく毒素や腐敗ガスまでも腸で吸収してしまうようになります。
それが原因で免疫力が低下してしまうのだそうです。
腸内細菌を増やす

ではどのように腸内細菌を増やせばいいのでしょうか?
筆者は、大きつ3つの方法を上げています。
- 「無殺菌」「非加熱」「高硬度」の水を飲む
- 納豆などの土壌菌を含む発酵食品を食べる
- 食物繊維を多く含む食品を食べる
1についてですが、具体的には弱アルカリ性の水であることや「鉱泉水」「鉱水」「温泉水」といった表記のあるミネラルウォーターがあげられます。
残念ながら日本においてミネラルウォーターの基準はあまいので、これらの表記がなされているか確認して購入するようにして下さい。
2についてですが、納豆には土壌菌の一種が含まれており、その菌が腸内環境を整えるのに効果があるそうです。
土壌菌を固めたサプリなども見かけますが、非常に高額なので発酵食品などから摂取するのが1番いいかと思います。
3の食物繊維についてですが、食物繊維には水溶性と不溶性の食物繊維があります。
水溶性食物繊維は主に腸内細菌の餌になるそうです。
水溶性食物繊維を多く含んでいる食べ物は、山芋、メカブ、オクラなどがあります。
不溶性食物繊維は主に腸内の掃除をしてくれるそうです。
不溶性食物繊維を多く含んでいる食べ物は、豆類、イモ類、キノコ類があります。
これらの食物繊維をたくさん食べるよう心がけましょう。
「バッチイこと」をしろ(特に子ども)
免疫力を高める3つ目の方法は、「バッチイこと」をしろです。
「バッチイこと」というのは例えば、床に落ちたものをそのまま食べる、子どもがスリッパや玩具を舐めるなどが本書では上げられています。
筆者によると、生後1年のうちにどれがけ「バッチイこと」をできるかが、その子の将来の免疫力を決めるのだそうです。
なぜかというと、子供の場合腸内フローラの形成は生後1年でほぼ決まってしまうからだそうです。
「バッチイこと」で腸内環境が最高になる

赤ちゃんは、たくさんのものや人に触れることで体にとって役に立つ菌をたくさん取り込んでいくのです。
それを「バッチイ」からと言って取り上げてしまうと、かえって免疫力の弱い子に育ててしまうのです。
このことはアレルギーの発症とも関係性があるそうです。
必要以上に清潔に家を保ち、「バッチイ」ことをさせてこなかった家庭の子どものアレルギーの発症率はとても高いそうです。
また、超清潔志向の家庭と、ほどほどに「バッチイこと」経験をさせてきた家庭とでは、O-157などの食中毒の発症率は超清潔志向の家庭の方が多いのだそうです。
「バッチイこと」をさせることで子どもの腸内環境は最高の状態になります。
腸内環境が免疫力を高めることは、先ほど説明した通りです。
子どもとはいえ、少々の「バッチイこと」を経験したくらいでは命に関わるような病気になることはありません。
泥んこ遊びが全てを解決する

もう少し具体的に、子供の腸内に細菌を取り込ませるにはどうすればいいのでしょうか?
筆者は砂場での遊びや泥んこ遊びを強く推奨しています。
土や泥の中にいる土壌菌は腸内細菌を育むのにちょうどいい環境なのだそうです。
また、土遊びや泥遊びをたくさん行った子どもは、学力が高くなる傾向も本書では示唆されています。
十数年前、ある幼稚園に講演を頼まれて出かけました。その幼稚園は、毎日園児たちを泥んこにして遊ばせていました。この幼稚園の一〇〇メートル先には、ピカピカな園舎が印象的な、英才教育を行っている幼稚園があります。泥んこ幼稚園の先生は「みんな、あちらのピカピカ幼稚園に行ってしまうのです」と困っていました。私は「自信を持って、子どもたちに泥んこ遊びをたくさんさせてあげてください。子どもの将来にとっては、英才教育よりも泥んこ遊びのほうが、絶対によいですよ」と励ましました。 今、この二つの幼稚園はどうなっているでしょうか。ピカピカ幼稚園はもはやピカピカではなく、ガラガラ幼稚園になっています。一方、泥んこ幼稚園はなかなか入園できない、地区でいちばんの人気幼稚園です。「泥んこ幼稚園の卒園生は、優秀な高校や大学に進学する子が多い」と話題になり、入園希望者が殺到しているということです。
藤田絋一郎:手を洗いすぎてはいけない~超清潔志向が人類を滅ぼす~
本書の記述だけでははっきりとしたことは言えませんが、幼少期に自然にうんと触れて遊ぶことは脳にとってもいいことのようです。
しかし、最近はこういった場所は減ってきているので、アウトドアなどのキャンプに出かけて、自然に触れる機会を増やすといいかもしれません。
その際には、存分に子供に植物や土、動物や昆虫などに触らせてあげてください。
当然ですが、野外にいるときは大人も子供もスマホなどでゲームをしない方がいいでしょう。
大人もたまには「バッチイ」経験をするのも、免疫力を高めるのにはいいのかもしれませんね。
nick的雑感 体験談とメディアの煽り、新型コロナ対策について
ここからは本書を読んでnickが感じたこと、考えたことを3つお話しします。
nickの実践体験談

実は3年ほど前に1度本書読んでおり、その時から本書の内容を実践しておりました。
それによって、nickの場合は冬の時期に皮膚が乾燥してボロボロになっていたのが全くなくなり、年に1回くらいはひいていた風邪もひかなくなりました。
そして、病院に行くことはなくなり、薬局で薬を買って使うということも無くなっていきました。
nickは湯シャン&入浴を夜寝る前に毎日行うことをルーティンとしています。
また週に1、2回程度は石けんで頭と体を洗うことにしています。
こちらは本書で書かれていた昔ながらの固形石鹸の代表だと思います。
スーパーやドラッグストアでも売られているかと思います。
湯シャンや石けんのみで体を洗い続けることで、特に不都合なことはありません。
これで十分だったのです。
私たちは恐怖を煽られて商品を売り込まれている

そもそもなぜ私たちはあれほど強力すぎるシャンプーや消毒液を買わされているのでしょうか?
それは、そのほうが企業が儲かるからです。
本書にもこのような記述があります。
恐怖は、人を動かすもっとも強力な方法です。私たちのまわりにあふれる消毒剤や殺菌剤、抗菌グッズのいきすぎた氾濫は、「細菌に対する恐怖心」を植えつけられた結果ともいえましょう。〈中略〉つまり、日本人のいきすぎた清潔志向は、後天的に学習した強い恐怖心から生まれたものです。企業は、その恐怖心を巧妙にあおることで、商品のマーケティングに実にうまく利用しています。
藤田絋一郎:手を洗いすぎてはいけない~超清潔志向が人類を滅ぼす~
そもそも日本の衛生環境は世界でもトップクラスです。
ただちに人の命を奪うような危険な病原体はほとんどいません。
ただ、その人の免疫力が弱っている時に悪さをしでかしているだけなのです。
必要以上に危険性をアピールして危機感を煽るのはメディアの常套手段です。
なぜなら、そうすれば商品が「売れるから」なのです。
消毒のしすぎが感染を招いている?

本書の内容を真に受けるとすると、手のアルコール消毒をすると病気に感染しやすくなるという結論になると思います。
ひょっとすると、「消毒のやりすぎが新型コロナの感染拡大を止められなくしている1つの原因ではないのか?」とnickは本書を読んで思いました。
そもそも、アルコール消毒は新型コロナの感染対策に効果あるのでしょうか?
私たちは実際にアルコールによって新型コロナウイルスが死滅していく様子は見たことがありません。
ひょっとしたら、企業がただ売り込みたいだけに私たちの不安を煽り、消毒液を買わせているのかもしれません。
この考えは少し陰謀論的な考えかもしれません。
しかし、常識を疑ってみることは大切なことだと思います。
nick施設などに入る際には、消毒を求められて時のみ手を消毒しています。
本書を読み直してからというもの、nickは消毒するたびに

あぁ。また菌たちを皆殺しにしてしまった・・・
と思うようになってしまいました(笑)
本書の内容が正しいとするのであれば、新型コロナに感染する確率を下げるためにはアルコール消毒はほどほどにしておいた方が良いのかもしれません。
まとめ

今回のまとめは次のようになります。
・手洗いは水のみで、アルコール消毒はほどほどに
・食事を見直して腸内環境をよくする
・子どもも大人も「バッチイ」ことを積極的に行う
・広告、宣伝には煽られないようにする
本書は、コロナ禍の現在だからこそ読む価値のある本であると思います。
本書の内容が、コロナ禍の現在においてどこまで通用するのかはなんともいえません。
しかし、免疫力を高めるためのヒントはたくさん書かれていると思います。
その他にも、「アレルギーと寄生虫の関係性について」という面白い記述もあります。
本題からは逸れるので紹介しませんが、ぜひ手に読んでみていただきたいと思います。
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