
どうも、nickです。
月曜の書籍レビューの時間です。
今回紹介する書籍はこちらになります。
今回は森博嗣氏の「諦めの価値」をレビューします。
筆者は本書において、成功するためには諦めることが大事である、人生は諦めであふれていると語られております。
今回は、本書の中で語られている正しく諦めるための方法や考え方を3つ紹介します。
サラリーマンやアスリート、芸術家や教育に関わる人にオススメです。
人生で諦めるべき3つのこと

ここからは本書で著者が意見をしている、人生で諦めるべきことをnick的な観点で3つ紹介します。
・一生に一度を諦める
・しつけを諦める
・お金と時間を諦める
順に紹介していきます。
一生に一度を諦める

筆者が現代社会を眺めていて、「一生に一度」というフレーズに違和感を感じているそうです。
この「一生に一度」という言葉も、たびたび耳にするようになった。最近だと、成人式が中止になって、「一生に一度のことなのに」と残念がる声をマスコミが伝えていた。結婚式もそうだし、誕生日だって、その年齢では一生に一度だ。 こういう、なんでも特別なものにしたがる症候群に、現代人は取り憑かれているようだ。
森博嗣:諦めの価値
なんと筆者は、自分の子供の入学式や卒業式などの行事には一度も行ったことがないそうです。
(どうやら奥様が行ったらしい)
近年、ハロウィンや夏フェスなど、なんでもかんでもイベントにして盛り上げようとしすぎているのは、確かに感じます。
世間で盛り上がっているイベントは自分にとって本当に大事な事なのでしょうか?
商売と広告宣伝のための押し付け

それにしても、なぜこのように「一生に一度」が世の中にあふれ、イベント化されているのでしょうか?
それは、商売と広告宣伝のためであると筆者は語ります。
どうしてこんなことになったのだろう。それは、そういったイベントを「あなたの晴れの舞台です」とスペシャルなものに仕立て上げることで、商売繁盛を企てる人たちが煽っているからである。マスコミも、宣伝費で成り立っているので、片棒を担いでいる。この人たちが、「経済を回さないと」と訴えたり、「元気を与えたい」と綺麗事をおっしゃるのだが、もちろん宣伝文句なのだから問題はない。それに乗せられる方がおっちょこちょい、というだけだ。
森博嗣:諦めの価値
何かイベントがあれば、それに付随して様々な商品が宣伝され、人々に買わせようとする動きに巻き込まれてしまいます。
「それは流石に極端ではないか?」という意見もあるかと思います。
ですが、価値観をテレビやネットなどから押し付けられているということが、現代ではとても多いことは押さえておくべきだとnickは思います。
自分にとって本当に必要で大事なことは何なのか?
今1度、考え直してみることをオススメします。
しつけを諦める

筆者は大学で講義することもあったため、そのため教育に少しばかり関わることがあったそうです。
その中で筆者は、しつけを諦めるべきだと考えたそうです。
人間に対しても、ある程度は最初から「諦めて」臨む必要がある。身も蓋もない話をすれば、躾で能力が高まるわけではない。躾で善人になるわけではない。その場で萎縮し、善人の振りができるようになるだけである。 このような「躾」という行為に過剰な期待を寄せる人は、自分の言葉のとおりに他者がコントロールできると思い込んでいる。だから、一方的に「これをしたら、こうなる」というような約束をさせ、約束を破ったからといって、また叱りつける。暴力によって人をコントロールするのは、昔は普通だったかもしれないが、現在では違法、つまり犯罪である。
森博嗣:諦めの価値
ここで大切なのは、他者を変えることは非常に困難であるということです。
筆者の考えは、名著「嫌われる勇気」で取り扱われたアドラー心理学にある「課題の分離」と似た考え方であると思います。
「嫌われる勇気」の中で、課題の分離の説明として次のような中国のことわざが紹介されています。
「馬を水辺に連れてはいけるが、水を飲ませることはできない」
このことわざからは、いかに他人に望ましい行動させるとこが難しいのかがうかがえます。
同じになることを期待しない

また筆者は次のようにも語っています。
繰り返すが、大事なのは、異なるものを認めることであり、自分と同じになってほしいと期待しないことである。
森博嗣:諦めの価値
教育というものが、「自分と同じになること」ではないことは、保護者や教員の方は頭に入れておいてください。
筆者も大学で講義をしていた経験があるのだが、学生を叱ったことはないそうです。
ただ、その人に危険を知らせるために注意をしたことはあるそうです。
どうしても自分と合わないと感じた時、筆者はその人から離れるようにしていたそうです。
このことを小・中・高の先生方が実行するには難しいですが、生徒にこのような助言はできるのではないでしょうか?
先ほどのことわざと合わせると、親や教員にできることは、本人に気づかせること、考えるきっかけを与える事なのだとnickは考えます。
筆者の発言は、人間関係だけでなく教育についても考えさせられます。
お金と時間を諦める

筆者には「お金がない」、「時間がない」といった相談が寄せられることが多いそうです。
そんな方々に筆者は、お金も時間も諦めなさいとアドバイスをされています。
具体的な方法は、身も蓋もないものになる。考えれば、簡単に誰でも思いつくはずだ。「金がない」というなら、何に金を使っているか考えて、それを諦める。つき合いやギャンブルや外食やファッションに使っているなら、それらを全部諦める。「時間がない」というなら、何に時間を使っているか、よく自分を観察しよう。テレビを見たり、友達とおしゃべりしたり、スマホを触っている時間を諦めれば、相当な時間が容易に手に入るだろう。
森博嗣:諦めの価値
筆者のこのアドバイスは、ミニマリズムにも似た考えであるとnickは思います。
お金がないなら、お金をかけている何かを諦める。
時間がないのなら、時間をかけている何かを諦める。
シンプルな考えですが、取りかかるとなると意外と難しいものです。
人生は「等価交換」である

何かを諦めれば何かを得られるというのは「等価交換」原則であります。
ミニマリズムにおける「等価交換」については。ミニマリストYouTuberのTakeru氏が最近の動画で語っておられました。
何を諦めるか?
これは人によって様々な可能性があるかと思います。
例)SNS、ゲーム、趣味、ファッション、今の仕事など
また、完全に諦めるのではなく、かけている金額や時間を減らすでもよいと思います。
「これならできそう」というところから初めてみてください。
まとめ

今回のまとめは次のようになります。
・一生に一度を諦めることで、自分にとって価値のあることが何なのかがわかる
・しつけを諦めることで、人間関係の改善や教育に対する考え方が変わる
・お金や時間を諦めることで、新しい人生が開ける
本書には、今回紹介した以外にも成功するための諦め方が多く紹介されております。
電子書籍でも読むことができますので、お好みの形式でご覧になってください、
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