
どうも、nickです。
月曜の書籍レビューの時間です。
今回紹介する書籍はこちらになります。
今回はオリンピックハードル競技のメダリストでもある、為末大氏の「限界の正体 〜自分の見えない檻から抜け出す法〜」を紹介していきます。
本書で書かれていることは、アスリートの方だけでなく、楽器の上達においても同じことが言えるとnickは感じました。
そこで、本書の中から限界を超えて楽器が上手くなる考え方を3つ紹介したいと思います。
現在楽器を練習していて、伸び悩んでいる中高校生や音大生、または社会人の方や、楽器や吹奏楽の指導をされている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
限界を突破するヒントが得られるはずです。
限界を超えて楽器が上手くなる考え方3選

限界を超えて楽器が上手くなる考え方は、次に3つになります。
- 練習に「揺さぶり」をかける
- 「できた」と「体得した」を区別する
- 全ての行動に全力を尽くす
本書からの引用を踏まえて、順に解説していきます。
練習に「揺さぶり」をかける

1つ目の考え方は、練習に「揺さぶり」をかけることです。
たしかに量は必要です。でも、積み重ねによる成長は、ある一定量までいくと止まってしまいます。積み重ねが効かなくなってきたなと感じたら、次に必要なのは、自分に、「揺さぶり」をかけることです。 たとえば僕は、トレーニングに陸上以外のスポーツを取り入れたり、あえて不整地といわれるボコボコした地面のところを走ったりしたこともありました。 すると、これまでとは違う刺激が加わるため、身体の動きが変わります。他のスポーツを取り入れることで、今までは理解できなかった身体の部位を意識し、新しい動作を身につけられることがあるのです。
為末大:限界の正体 〜自分の見えない檻から抜け出す法〜
つまり、毎日やる練習とは別に、いつもはやらない練習もやってみるということになります。
たとえば、次のようなことが「揺さぶり」なるかと思います。
- 普段はやらないエチュードや音階を吹いてみる
- 学校にある適当な楽譜を引っ張り出して初見で吹いてみる
- 自分が担当している以外の楽器を吹いて練習してみる
このような「揺さぶり」をかけることで、普段とは違った刺激を体に与え、今までとは違う吹き方や表現方法を身につけることができます。
楽器の上達に限界を感じたときや、普段の練習にマンネリが出てきたときに試してみることをオススメします。
「できた」と「体得した」を区別する

2つ目の考え方は、「できた」と「体得した」を区別することです。
スポーツの場合、「自己記録を更新してやる!」と息巻いているときほど記録は伸び止まります。反対に、タイムを意識せずに鍛練を積み重ねた結果、いつの間にか、自己ベストを更新していることがあります。 限界を超えたいと思って超えたのではなく、結果的に超えていた場合、「どうして限界を超えることができたのか」と振り返って、検証してみる必要があります。なぜ自分が速く走れたのかがわからないと、再現ができないからです。 再現性がないものは、実力ではありません。 〈中略〉 しかし、アスリートに求められるのは、「できた」ではなく、体得することです。「なぜできたのか」を理解して、再現する。 何度も再現ができて、はじめて限界を突破したといえるのです。
為末大:限界の正体 〜自分の見えない檻から抜け出す法〜
本書の中では、偶然できたことで「できた」、何度でもできることを「体得した」と区別されております。
ここで重要なことは、今までできなかったことが「できた」時に、なぜできたのかを考えることが大切であります。
今までできなかったことがたまたまできると、つい嬉しくなってしまい、どうやって吹いたのかがトンでしまうことがよくあります。
上手くできた時こそ、冷静に振り返るようにしてください。
また、できた理由を人に言葉で説明できるかどうかも重要になります。
人に説明できれば、どのように吹けばいいのかがわかっている状態ですので、ほぼ「体得した」といっても過言ではありません。
どのように吹けばいいのかが分かれば、あとはその通りに身体操作が毎回できるかが課題となります。
上手く行った時には、必ずどのような感覚で吹いたのかを振り返ってください。
全ての行動に全力を尽くす

3つ目の考え方は、全ての行動に全力を尽くすことです。
限界の檻から抜け出したいなら、全力を尽くすことです。 量を積み上げ、思考をめぐらせ、戦略を立てて、本気になってみることです。行動の量と、行動の質を変えてみることです。 量を拡大したり、揺さぶりや変化を与えれば、まだ先に進めるはずです。
為末大:限界の正体 〜自分の見えない檻から抜け出す法〜
ここで重要なのは、練習の量ではなく、行動の量が大切であることです。
行動の内容は、身体的なことだけでなく、精神的なことも含まれます。
□身体的なことの例
- どんな練習をしたのか?(ロングトーン、スケール、タンギンングなど)
- フォルテやピアノなど極端なダイナミクスで演奏する
- 毎日早起きをして朝練することを習慣にする
□精神的なこと例
- もっと効果的な練習方法はないか?
- 何を考えて練習したのか?
- うまく吹けた時と、そうでない時とでの感覚の違いはなんなのか?
練習は「量」か「質」の議論はよく耳にするかと思われます。
しかし、これらは車の両輪と同じで、どちらも必要不可欠なことです。
練習した時間を多いか?ではなく、どれだけの量の練習をどれだけ考え、悩んで練習したのかに注力してください。
「量」と「質」の両方を高めていくことで、限界を超えて楽器が上達していくのです。
まとめ

今回のまとめは次のようになります。
・普段はやらなことをして「揺さぶり」をかけてみる
・上手く吹けた時に、なぜ?どのように吹けたのかを振り返る
・「量」と「質」の両方を高めていくことで、限界を超えて楽器が上達していく
今回紹介した本は、紙だけでなく電子書籍でも読むことができます。
ぜひ自分が読みやすい方法で読んでみてください。
必ず、新しい発見ができます。
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