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どうも、nickです。
大人のための中学音楽になります。
今回解説するのはこちらの作品です。
今回はシューベルト作曲の「魔王」について解説していきます。
中学校の音楽の授業で多数の方が演奏を聴いたのではないでしょうか?
今回はこの作品について、nick的な視点で語っていきたいと思います。
シューベルトって何者?
![「シューベルト」の画像検索結果](http://history-of-music.com/wp-content/uploads/2017/08/Franz_Schubert.jpg)
「魔王」を生み出したシューベルトは一体何者なのでしょうか?
生い立ちから説明していきます。
生い立ち
フランツ・ペーター・シューベルト(1797年~1828年)はオーストリアの作曲家です。
子供の頃から音楽の才能があったため、帝室宮廷礼拝堂合唱団(のちのウィーン少年合唱団)に入団しました。
声変わりを迎えるまで礼拝堂で歌い、宮廷の寄宿学校ではオーケストラでヴァイオリンを担当していました。
寄宿学校では、アントニオ・サリエリの指導を受けておりました。
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/0/07/Antonio_Salieri_painted_by_Joseph_Willibrord_M%C3%A4hler.jpg)
サリエリは映画「アマデウス」ではちょっとアレな描かれ方をしていますが、当時は音楽学校の教師として非常に優秀だったそうです。
サリエリはシューベルトの才能を見抜いていたようで、非常に熱心に指導をしていたそうです。
シューベルトは生涯1000曲近くの作品を作曲しました。
そのうちの600曲ほどが歌曲だったことから「歌曲の王」と呼ばれています。
また「シューベルティアーデ」というサロンを主催し、友人などを呼んで演奏会を開いていたそうです。
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/66/Julius_Schmid_Schubertiade.jpg)
そんな彼ですが、キャリアが確立しようとする直前に、31歳という若さで亡くなってしまします。
早すぎる死
彼の死因については、腸チフスが原因とする説が有力らしいですがはっきりとしたことはわかっておりません。
遺産は、現在の日本円にしてわずか数10万円ほどしかなかったそうです。
また彼の遺産の中には未発表の楽譜もあり、死後30年以上たってから交響曲第7番「未完成」が発見されました。
生前シューベルトは多数の楽譜を出版し、演奏会のチケットも売れていたみたいですが収益に上手くつなげることができなかったみたいです。
「魔王」という作品について
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/37/Erlkoenig_Schwind.jpg)
この曲はシューベルトわずか18歳のときに作曲し、初めて出版した「リート」作品になります。
「リート」はドイツ語の詩にメロディとピアノ伴奏をつけた作品のことを指します。
なおこの作品は4時間程度で書き上げてしまったそうです。早すぎるだろ・・・
細かな楽曲解説の前に、3つ作品について説明させていただきます。
他人の書いた詩にメロディと伴奏をつけた
この作品はドイツの詩人、ゲーテの詩にメロディと伴奏をつけた曲となっています。
![Goethe (Stieler 1828).jpg](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/0e/Goethe_%28Stieler_1828%29.jpg/1280px-Goethe_%28Stieler_1828%29.jpg)
誰かの詩に曲をつけるとういうことは今では当たり前ですが、シューベルトが多数の歌曲を発表したことによって定着しました。
この発想は後に歌曲のとどまらず、交響曲のジャンルにも広がっていきます。
例えば、ポール・デュカスの作曲した「魔法使いの弟子」という曲があります。
この曲はゲーテの詩の内容をオーケストラで表現した作品になります。
後にディズニーがこの曲に映像をつけて発表されました。
「魔王」は、詩と音楽を融合させて成功した作品の代表とも言えます。
「魔王」は誤訳?
みなさんは「魔王」と聞くとどのようなイメージを持たれるでしょうか?
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_webp,q_glossy,ret_img,w_780,h_676/https://nick-hosablog.com/wp-content/uploads/2021/02/スクリーンショット-2021-02-15-19.31.11-3.jpg)
しかし、「魔王」というのは正確な翻訳ではありません。
「魔王」のストーリーは、デンマークの伝承をベースにした『ハンノキの王の娘(Erlkönigs Tochter)』に基づいています。
「ハンノキ」とは、カバノキ科ハンノキ属の落葉高木。「ハンノキの王」は、樹木の精霊の王という超自然的な存在として描かれています。
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/93/Erlkoenig_Jena_01.jpg/1280px-Erlkoenig_Jena_01.jpg)
なので、「魔王」というよりは「精霊の王」といったほうがニュアンスが近くなります。
精霊と聞くと神秘的な雰囲気を感じるかと思いますが、ゲーテの詩で描かれているこの精霊の王は死や不吉なことの象徴のようです。
魔物の王というニュアンスで鑑賞してしまうと、この作品を正しく理解できなくなってしまいますので注意して下さい。
伴奏が難しい!
ピアノによる3連符の連打で曲が始まるのですが、この連打は曲の最後まで続きます。
この連打は非常にピアニスト泣かせの連打となっています。
nickは触り程度しかピアノが弾けませんので、試しに弾いてみましたところ速攻で腕が悲鳴を上げました。(´д`)
シューベルト自身も演奏できなかったそうで、自分用の簡易バージョンで演奏していたそうです。
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_webp,q_glossy,ret_img,w_780,h_633/https://nick-hosablog.com/wp-content/uploads/2021/02/IMG_4D5DD6C63B7C-1-1.jpeg)
しかし、この3連符は演奏効果を非常に高めております。
この説明は後ほどします。
なぜこの曲を鑑賞するのか?
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_webp,q_glossy,ret_img,w_640,h_426/https://nick-hosablog.com/wp-content/uploads/2022/02/white-board-g7ce3a9367_640.jpg)
ではなぜこの曲を中学の授業で鑑賞するのか?
nick的な考えを述べていきます。
歌手1人とピアノ1台のシンプルな構成だから
前回のヴィヴァルディ同様、曲の作りが複雑ではなく、聞き取りが困難ではないのが理由の1つとして挙げられると思います。
ヴィヴァルディの曲は楽器のみの演奏でしたが、こちらの曲はドイツ語ではありますが歌詞があります。
両者の音楽表現の違いを聴き取れるかどうか、これも大事になってくると思います。
ヴィヴァルディの解説はこちらになります。
登場人物の書き分けが秀逸である
「魔王」はかなり特殊な歌曲で、1人で4つの役を歌い分ける必要があります。
本来このような尖った作品は、なかなか世間から受け入れづらい作品となってしまうことが多いのですが、4役の書き分けを非常に巧みに行っているため、後世まで生き残ることが出来る作品となりました。
この4役の聞き分けと作曲上の書き分けがどうなっているのか?
ここが魔王攻略のポイントであるとnickは思います。
曲の長さが丁度いい
「魔王」は4分半程度の長さなので、クラシック初心者にも聴きやす時間の長さになっております。
そして、長さの割に展開が多いので飽きにくいのもこの曲の特徴となっています。
どのように展開が多いのか?
という点は次回解説いたします。
![nick hosa](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_webp,q_glossy,ret_img,w_780,h_780/https://nick-hosablog.com/wp-content/uploads/2021/04/Cat_Music_Young_Man_Suit_Glasses_Teacher_Stave_Humanoid_Ski_7952c379-3578-4ca3-972d-dd37eb8cec87.jpg)