どうも、nickです。
ざっくり音楽史の中世以前編になります。
ここでは西洋音楽が本格的に発展していく中世以前の音楽についてわかりやすく解説していきます。
音楽の起源
音楽の起源は各地の遺跡や壁画などから有史以前にまで遡るとされています。
ですが、当時の人類がどのような音楽を奏でていたのかはあまりわかってはおりません。
各地域に残された神話や伝承などからは、歌、笛、弦楽器が使われていたことが記されております。
音楽は人類共通のものであり、あらゆる文化において存在しております。
生まれたばかりの赤ん坊であっても音楽に対する関心を示すことから、ヒトは音楽に対して何らかの遺伝的基盤を備えていると思われております。
一方、ヒト以外の動物には音楽がほとんど存在しないことが今日わかっております。
音楽の持つ機能
音楽の起源ついては諸説ありますが、ここでは音楽の起源にせまる上で重要な音楽の持つ機能について解説していきます。
音楽の機能には以下のものがあります。
魔術的機能
魔術的機能としての雨乞い、悪魔祓いなどは原始的な宗教に基づいています。
また、世界各地のシャーマニズムから音楽の起源を読み取ることができます。
彼らは精霊や先祖の霊と交信するために、太鼓などの楽器を用いました。
宗教的機能
シャーマニズムとは別に、各地では独自の宗教が起こりました。
シャーマニズムの影響もあってか、宗教と音楽の結びつきは仏教音楽やキリスト教など複数の宗教にみられます。
特にキリスト教における音楽の発展は、西洋音楽の発展に大きな影響を与えました。
労働促進機能
田植え囃子、茶摘み歌など、労働の効率化や苦痛を紛らわせるために音楽が使われた例も存在します。
このような労働歌は、日本に限らず世界各地で見受けられます。
伝達信号機能
信号ラッパやアフリカのトーキングドラムなど、かつて音楽は通信手段として利用されてきました。
求愛機能
古来の日本では「万葉集」などから和歌を求愛のために使っていたことがわかります。
また、東南アジア北部の少数民族は、歌垣によって結婚相手を見定める風習があるそうです。
かつて沖縄では毛遊び(もうあしび)という若い男女が海辺に集って飲食を共にし、歌や舞を中心として交流した集会があり、歌垣の名残とされております。
古代ギリシアの発展と音楽
古代ギリシアでは文明の発展とともに、音楽についても目覚ましく発展していきました。
世界最古の楽曲
現存する世界最古の楽曲としては、古代ギリシアの「セイキロスの墓碑銘」があります。
この楽曲は紀元前2世紀頃から紀元後1世紀頃に成立したとされております。
古代ギリシアの音楽としてはこれより古いものが存在はするのことはわかっているのですが、完全な形で残っている楽曲はこれが最古となっております。
この石碑に書かれている内容は解読がされており、実際に演奏もされております。
ムーシケーの概念
古代ギリシアには「ムーシケー」(Mousikē)という概念がありました。
当時の音楽(ムーシケー)とは、詩を音楽的に節づけ、集団的に踊りを踊るという三位一体であったとされています。
ムーシケーは詩・音楽・舞踊の三つの要素を指す用語であり、人間の感性や精神を形成し、教育し、鍛えるための包括的な芸術体験のことを指しておりました。
ですが、時代が進むにつれて音楽の部分のみが発達し独立性を帯びてきました。
哲学者たちは、時代とともにムーシケーのあり方についてたびたび議論を行いました。
古代ギリシアの哲学者プラトンはムーシケーのあり方について次のように批判したそうです。
私たちの音楽はかつて、確立された様式を持つ音楽とそうでないものとに分かれた。知識や教養のある見識は、口笛、群集のざわめき、拍手のような無分別で非音楽的なものを禁じた。静かに聴き、知ろうとすること、これがルールだった。しかしその後、音楽の規律、形式に無知な詩人たちによって非音楽的な無秩序がもたらされてしまった。彼らは、音楽には正しきこと、間違ったやり方などないと、自身を欺いて言った。彼らは、音楽はそれがもたらす愉悦によって良し悪しが判断されるべきだといった。彼らの言うところまた彼らの理論は、ずうずうしくもしかるべき判断ができていると大衆に思い込ませ、大衆に悪影響を与えている。だからわれわれ観客、つまりかつて静寂を守っていたのに、時を経ておしゃべりになった、この音楽の貴族は芸術文化に悪影響である。批評は音楽でなく、デタラメな才知、規律を破壊する精神であり、名声のためのものである。(Wikipediaより抜粋)
その後、ムーシケーからは詩・舞踊の要素が抜けていき、現代のように音楽「だけ」を指すようになりました。
このことから、ムーシケーはミュージック(music)の語源となったとされています。
音楽文化の発展
古代ギリシアでは当時の絵画から、キタラ(竪琴)、アウロス(縦笛)、パンパイプなどの楽器が当時使われていたことがわかっております。
また、古代ギリシアでは詩の朗読や劇の上演に際して音楽が演奏されたと考えられております。
このギリシア演劇は、後にルネサンスの時代に復興されてオペラの基礎となります。
古代ギリシアでは天文学や数学と同じように音楽の研究が盛んになされていました。
そんな古代ギリシアに現れたのがピタゴラスです。
ピタゴラスの登場
三平方の定理を発見したピタゴラスですが、彼は音楽と数学は宇宙の秩序に通じると考え、音程についての研究を行なっておりました。
ある日鍛冶屋の前を通ったピタゴラスはあることに気づきました。
作業場の職人が打っているハンマーの音が共鳴して、快い協和音を発している。
ピタゴラスが中に入って調べてみると、ハンマーの重さが単純な数比の関係にある時に協和音を発し、単純な比になっていない時に不協和音を発することがわかりました。
その後ピタゴラスは弦楽器や笛で実験し、弦の長さの比が弦の振動数の比、つまり音程の関係を決めていることを発見しました。
これらの研究をもとに、ピタゴラスはピタゴラス音律を発明しました。
ピタゴラス音律は現代の音律とは異なっております。
ですがピタゴラスの音程にまつわる研究は、今後音楽の発展に貢献することとなります。
参考資料
Wikipedia 音楽史
すぐわかる! 4コマ西洋音楽史 1~古代・中世~バロック初期~
はじめての音楽史: 古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで
音楽史 <作曲家とその作品>
いかがだったでしょうか?
この他にもわかりやすい音楽鑑賞や音楽理論を記事にしております。
また、楽譜の販売と作成サービスを行っておりますので、興味がありましたらご連絡ください。
Twitter、YouTubeチャンネルも宜しくおねがいします。
( `Д´)/ジャマタ
コメント