【中高生のための音楽理論】音程解読のコツは黒鍵の数?元音楽教師が教えるわかりやすい音程の話その①!

音楽理論
nick hosa
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どうも、nickです。中高生のための音楽理論の回です。

今回から音程の話を2回に分けて解説していきます。

1回目の今回は次についてわかりやすく解説します。

 

・音程とは何なのか?

・音程の数え方

・音程は呼び名が変わる

・音程が読めると何がわかるのか?

 

それでは解説にまいります。

音程とは?

そもそも音程とはなんなのか?

音程とは次の意味になります。

音程とは2音間の高さの隔たりのことで「度」によって表される。

教育芸術社:高校生のための音楽研究ノートより引用

つまり、「2つの音がどれくらい離れているのか?」という話になります。

音程の数え方

音程の数え方ですが、まずは次のことを覚えて下さい。

・同じ音同士を1度とする。

楽譜にするとこのような状態です。

そして、同じ音から音が離れていくたびに「2度」「3度」と数字が増えていきます。

ドレミを指で折って数えていくのが1番確実だと思います。

その時には最初の音を「1」とカウントするのを忘れないようにして下さい。

広い音程と狭い音程

次の画像を見て下さい。

ドとミは3度であり、その間には黒鍵が2つあります。

では次の場合はどうでしょう。

レとファも同じく3度ですが、間にある黒鍵は1つしかありません。

つまり、「同じ音程でも音の幅に違いが発生する」ということになります。

なので、音程は幅の違いによって呼び名を変えるとこになっています。

長音程と短音程

呼び名はいくつかありますが、まずは「長音程」と「短音程」について話をします。

2度の音程を例に説明していきます。

2度

次の画像を見ると、ミとファ、シとドの間にのみ黒鍵がないのがわかります。

そこで、間に黒鍵のある幅の広い方の2度を長2度間に黒鍵のない幅の狭い方の2度を短2度と呼び分けをしています。

短2度になる組み合わせは「ミ、ファ」と「シ、ド」に2種類しかありません。

なので、この2つを暗記してしまった方が早いと思います。

なお、音がこれ以上高くなったり、ヘ音記号で書かれていても読み方は同じになります。

2度以外の音程も同じように幅の違いで名前の呼び分けをしています。

順に見ていきましょう。

3度

3度には「長3度」と「短3度」の2つがあります。

下からドレミを読んでいったときに「ミ、ファ」か「シ、ド」がこないものが長3度になります。

6度

6度には「長6度」と「短6度」の2つがあります。

下からドレミを読んでいったときに「ミ、ファ」と「シ、ド」の両方がくるものが短6度になります。

7度

7度には「長7度」と「短7度」の2つがあります。

下からドレミを読んでいったときに「ミ、ファ」と「シ、ド」の両方がくるものが短7度になります。

増、減、完全音程

1度、4度、5度、8度は今までとは呼び名が変わっています。

これらの音程を呼ぶときには「増」、「減」「完全」の3つを使います。

1度と8度

1度と8度はどちらも「完全1度」と「完全8度」と呼びます。

また、8度のことを一般的に「オクターブ」と呼んでおり、8度を1オクターブ、16度を2オクターブなどと呼んでいます。

4度

4度には「完全4度」と「増4度」の2つがあります。

増4度になるパターンは「ファ、シ」しかありません。

それ以外はすべて完全4度となります。

5度

5度には「完全5度」と「減5度」の2つがあります。

減5度になるパターンは「シ、ファ」しかありません。

それ以外はすべて完全5度となります。

9度以上離れた音程

9度以上離れた音程は「8度」+「何度」=「何度」で判断して呼びます。

音程で何がわかるの?

ここまで見てきたみなさんの中には

「音程が読めることに何の意味があるんだ?」

と疑問に思われる方もいると思います。

音程を読むことで何が分かるかというと、「2つの音がどのようにハモるのか見てわかる」ということになります。

ハモりが見てわかるということは、いちいち音に出さなくてもいいということになります。

たとえばピアノで2つの音を1人出すのは簡単ですが、トランペットとクラリネットのように違う2つの楽器の音を1人で出すのは無理です。

「見て」わかるというのはそれほど便利かつ重要なことなのです。

またハモり方は次の3種類に分類されており、みなさんが普段聴いている全ての音楽はこれらの音程をうまく組み合わせて作曲されております。

協和音程

キレイにハモる音程を協和音程と言います。

さらに協和音程には2つの種類があります。

完全協和音程

完全協和音程にあたる音程は次の通りです。

完全1度、完全8度、完全4度、完全5度

「完全」と名前がつくぐらいなので、2つの音が1つの塊のように聴こえます。

※順に完全1度、完全8度、完全4度、完全5度

不完全協和音程

不完全協和音程にあたる音程は次の通りです。

長3度、短3度、長6度、短6度

不完全協和音程は完全には混ざり切らないので、2つの音が程よく調和して聴こえるという特徴があります。

※順に長3度、短3度、長6度、短6度

一般的に「ハモる」とされている音はこの不完全協和音程のことを指しています。

不協和音程

不協和音程にあたる音程は次の通りです。

長2度、短2度、長7度、短7度、全ての増音程、全ての減音程

これらの音は人間には濁ったりうねったりして聴こえてしまいます。

※順に長2度、短2度、長7度、短7度、増4度、減5度

特に長2度と短2度はあまり心地よい音には聴こえなかったと思います。

周波数の比率で決まる

物理学的な話でいうと、音程は2つの音の周波数の比率によって定義することができます。

  • 周波数比が1:1の2音の音程は完全1度である。
  • 周波数比が1:2の2音の音程は完全8度である。
  • 周波数比が2:3の2音の音程は完全5度である。
  • 周波数比が3:4の2音の音程は完全4度である。
  • 周波数比が4:5の2音の音程は長3度である。
  • 周波数比が5:6の2音の音程は短3度である。
  • 長2度の周波数比は8:9、9:10などである。
  • 短2度の周波数比は15:16、16:17、17:18、18:19、19:20などである。

このことから、2つの音の周波数比率が単純であるほど人間にはハモって聴こえることになります。

まとめ

今回のまとめは次のようになります。

 

・音程とは2つの音がどれくらい離れているのかを表すことである

・同じ音程でも間の黒鍵の数で幅の違う音程ができる

・幅の違いによって「長」「短」「増」「減」「完全」と違う呼び名で呼び分けをしている。

・音程にはハモリ方によって「完全協和音程」「不完全協和音程」「不協和音程」の3種類に分けられている

・どのようにハモって聴こえるかは2つの音の周波数比率によって決まる

 

音楽というのは突き詰めていくと数学や物理学のような学問になっていきます。

そう考えると「スッ」と落ちる方と「うぁ・・・(;´Д`)」と思う方に分かれるかと思います。

しかし大事なことは、音楽というのは目に見えない曖昧なものではなく、キチンと自然科学上裏付けのある学問であることにあります。

これはつまり「勉強すれば音楽の能力は身に付く」ことになるとnickは考えています。

なので、諦めずに取り組んでみて下さい。

次回は「#、♭が付くと音程はどうなるのか?」についてお話しします。


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( `Д´)/ジャマタ

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