【大人のための中学音楽】盲目の作曲家による平和への祈り。ロドリーゴのアランフェス協奏曲を解説!

ロドリーゴ
nick hosa
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どうも、nickです。

大人のための中学音楽になります。

今回解説するのはこちらの作品です。

今回はロドリーゴ作曲の「アランフェス協奏曲」を解説していきます。

コロナ禍の現在において、飛沫のリスクの少ないギターに取り組んでいる学校は多いかと思います。

過去の鑑賞教材とのつながりもありますので、それを踏まえた上で解説していこうと思います。

作曲者について

作曲者のホアキン・ロドリーゴ(1901年~1999年)はスペインの作曲家です。

3歳ころに悪性ジフテリアの影響で視力を失う。この後、ピアノの学習を始める。

また、パリの音楽院ではポール・デュカスから作曲の指導を受けた。

デュカス
デュカス

わしがそだてた!

デュカスは「魔法使いの弟子」の作曲者として有名ですね。

目の見えないロドリーゴでしたが、点字の楽譜を使って作曲をしていたそうです。

点字の楽譜があることは初耳でした。

盲目の音楽家はそれほど珍しくはない?

目が見えないアーティストは、実はそれほど珍しくありません。

ここでは代表的な方々を紹介します。

レイ・チャールズ

アメリカのR&B音楽を長らく牽引していたレイ・チャールズ(1930年 – 2004年)ですが。彼も幼い頃の患った緑内障の影響で盲目となってしまいました。

しかし、そのハンディを抱えながら音楽活動を行っていきました。

彼の半生が映画化されているので、ご存じの方もいらっしゃるかと思います。

スティービー・ワンダー

キーボードやハーモニカを駆使しながら歌うスティービー・ワンダー(1950年 – )も、全盲ではありませんが視力にハンディを抱えながら音楽活動を行っている人物の1人です。

辻井伸行

辻井伸行(1988年 – )は日本を代表するピアニストです。

この方も、幼少期の病気が原因で盲目となってしまいました。

2009年、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで日本人として初めて優勝したことで、一時期話題に上がりましたね。

また、最近YouTubeにチャンネルを解説したそうです。

気になる方はご覧になられて下さい。

Nobuyuki Tsujii Official Channel
作成した動画を友だち、家族、世界中の人たちと共有

日本においては、平安時代から琵琶を弾く盲目の僧として琵琶法師や瞽女(ごぜ)と呼ばれる女芸者など、盲人が楽器を演奏することはよくあることでありました。

小泉八雲の「怪談」で取り上げられている「耳なし芳一」も盲目の琵琶法師でしたね。

それでは楽曲について説明していきます。

楽曲について

アランフェス協奏曲はロドリーゴが1939年に作曲したギターによる協奏曲になります。

初演は1940年にスペインのバルセロナで行われました。

楽曲のタイトルにもある「アランフェス」とは、スペインの首都マドリード南部にある都市のことです。

ロドリーゴが、奥さんと一緒にアランフェスの宮殿に旅行に行った際に着想したそうです。

宮殿内の様子

街の空撮

またロドリーゴがこの曲を作曲した当時、スペインで内乱があったためスペインとアランフェスの平和への想いを込めて作曲したとも言われております。

しかし、ギター演奏の知識がほとんどなかったロドリーゴは、この曲の作曲にあたってギタリストの方からの助言を得ならが作曲をしたそうです。

なぜギターの曲を思いついて作曲しようと思ったのでしょうか・・・?謎です。

楽曲は全体で3つの楽章からなっており、クラシックギターのソロとオーケストラの伴奏によって演奏されます。

実は、似た構成の曲を別の機会に聴いているはずなのです。

協奏曲の系譜

ソリストと伴奏がいて、3曲構成の楽曲に聞き覚えはないでしょうか?

そうです!ヴィヴァルディの「春」ですね。

<span class="fz-12px">ヴィヴァルディ</span>
ヴィヴァルディ

私が書いた曲のことです

「協奏曲の父」と呼ばれていたヴィヴァルディは600曲近くの協奏曲を作曲していました。

ソロ楽器と伴奏オーケストラが交互に主題を演奏する、急、緩、急の3楽章構成という協奏曲のスタイルは、この時代にヴィヴァルディが確立させました。

これは、ロドリーゴがアランフェスを作曲した年代から実に250年近くも前のことになります。

ヴィヴァルディ・・・すごすぎる。

ロドリーゴのアランフェス協奏曲も例に漏れず、1楽章は急、2楽章は緩、3楽章は急というテンポ設定がなされております。

一般的にどういった楽器のソロであっても、協奏曲はこういったテンポ設定で書かれることが非常に多いです。

参考) モーツァルトのクラリネット協奏曲の場合

1楽章(急)

2楽章(緩)

3楽章(急)

モーツァルトの協奏曲も、速い曲、ゆっくりな曲、速い曲の順番になっていると思います。

「協奏曲」と聴いたら、そういった楽曲構成なのだと思っておいて下さい。

なお、ヴィヴァルディの記事はこちらからどうぞ。

最後にもう一度

最後にもう一度動画を上げておきます。

全楽章通して聴くと20分ほどになります。

時間のある時などにのんびりと聴いてみて下さい。

その際には協奏曲の形式を頭に入れながら聴いてみて下さい。

展開が読めると、20分が長く感じづらくなると思います。


nick hosa
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( `Д´)/ジャマタ

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