どうも、nickです。
今回は音階の番外編として、調号と調性について解説していきます。
調号と調性について理解ができると、より楽譜やクラシック音楽に詳しくなることができますので、図を使ってわかりやすく解説していきます。
音階の解説を見ていない方は、こちらからご覧になって下さい。
調号とは?
たとえば次の音階があったとします。
この音階できらきら星の楽譜を作ると、次のようになります。
この楽譜を読むと、#が多くてたいへん見づらい楽譜となってしまいます。
なので、普段みなさんが見ている楽譜では次のようになっています。
赤で囲ったように、あらかじめ何の音に#、または♭がつくのかを楽譜の左側にまとめています。
このように、ト音記号やヘ音記号の横にまとめた#や♭のことを調号と言います。
調号の読み取りかた
調号は音符と同じように、五線のどこに記号が書かれているかで、何の音に#、♭がつくのかで判断して下さい。
また、調号で書かれた#や♭は、曲の終わりまで有効かつ音の高さに関係なく#や♭がつきます。
補足になりますが、音符のすぐ横に付けられた#や♭または♮は、その小節内でのみ有効で、オクターブを無視しませんので気をつけて下さい。
調性をまとめると?
#や♭をまとめて書くもう一つのメリットは、#や♭がいくつ付くかによって何の音階であるかが一目でわかることです。
長音階と短音階のスタートの音(中心音または主音ともいいます)と調号の数をまとめると、次のようになります。
長音階の場合
長音階の中心音と調号の数は次の通りです。
短音階の場合
短音階の中心音と調号の数は次の通りです。
両者をまとめると?
両者をまとめると、次の図のようになります。
この図を見ると、#が1つ増えるごとに主音が5度上に上がり、♭が1つ増えるごとに主音が5度下がることがわかります。
このように、5度中心に円が形成されていることから、この図をのことを五度圏といいます。
またこれらの調は日本語で次のように呼ぶことがあります。
こんなタイトル見たことありませんか?
クラシック音楽のタイトルの和訳で、次のようなタイトルを見ることはないでしょうか?
交響曲第5番 ハ短調
このようなタイトルは、オーケストラの作品によく付けられることが多いです。
このタイトルの後半部分にある「ハ短調」とはどういう意味なのでしょうか?
「ハ」というのはドレミでいう「ド」の日本語名でした。
ハ短調とは「ドの音からスタートする短音階」という意味なります。
つまり、上のタイトルは「5番目に発表したオーケストラ作品(交響曲)で、ドの音から始まる短音階で書かれています。」という意味になります。
厳密には曲の中で調性が変わったりする(転調と言います)のですが、今回それは置いておいて下さい。
また、音名について詳しくはこちらからどうぞ。
まとめ
今回のまとめは次のようになります。
・調号とは、楽譜が#や♭だらけにならないようにするための省略記号である
・調号の読み方は音符と同じように読み、音の高さに関係なく#や♭がつくと解釈する
・各音階の調号をまとめると円形の図で表すことができ、この図を五度圏と呼ぶ
・調性が理解できると、交響曲が何の音階を中心に書かれているのかが分かるようになる
ト音記号やヘ音記号の隣に書かれている#や♭が、何のために書かれているのか分からなかった方は多いのではないでしょうか?
リコーダーの授業や吹奏楽の初心者の方などは、調号で書かれている#や♭を無視して演奏してしまう例が多いです。
調号は見逃しやすいので、十分に注意して下さい。
次回は移調について解説していきます。
※他の音楽理論の解説についてはこちらからどうぞ
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