どうも、nickです。
今回は禅とミニマリズムと題しまして、主に「食」ついて数回に分けて語っていきたいと思います。
1回目の今回は禅の観点から、「黙食」について語っていきます。
マインドフルネスに興味がある方、禅に興味がある方、子育て世代の方や教員の方は、ぜひご覧になってください。
禅の観点から見える「黙食」のメリットと課題
コロナ禍の現代において、今「黙食」が勧められています。
この「黙食」については賛否両論がありますが、nickは現代人こそ「黙食」するべきであると考えています。
まず始めに、「黙食」のメリットとでデメリットをあげます。
黙食のメリット① 食事がマインドフルネスの時間になる
ただ食事集中することは、呼吸に集中するマインドフルネスと同じ効果が得られます。
忙しい人でも、1日に1回は食事の時間があると思います。
その時間を、1人で静かにただ食事に集中するという時間にするべきであると、nickは思います。
マインドフルネスには、心身のリラックス効果や、ストレス軽減などのメリットがあります。
自宅で静かにゆっくりと時間が取れる、朝食で行うことをオススメします。
黙食のメリット② 他人やメディアとの接触を断てる
黙食をするときは、テレビやYouTubeを見ながらではなく、ただひたすら食べることに集中しましょう。
現代は、他人の話やメディアなど外部からの情報に溢れすぎています。
そういったものから距離を置くことで、心身ともにリフレッシュすることができます。
nickも、1日1回の食事である朝食時にはスマホやパソコンはいじらず、ただ食事をするようにしています。
なぜなら、1日1回の食事をきちんと味わいたいと思っているからです。
黙食のメリット③ 非日常が味わえる
コロナ禍の今だからこそ黙食が勧められていますが、静かな環境というのは、現代においては意図的に作らなければ整わない環境となっています。
そういった意味では、非日常を味わうことができると言えるでしょう。
また、徹底的に静かな環境を作ったとしても、世界にはさまざまな音で溢れていることを体験できます。
例)エアコンの音、冷蔵庫の音、虫の音、雨や風の音など。
試してみるとわかるのですが、実は自然界において無音というのはあり得ないのです。
余談ですが、アメリカの作曲家であるジョン・ケージは、この「無音は存在し得ない」という考えに基づいて、「4分33秒」という曲を作曲(?)しました。
この曲は、「4分33秒間全く演奏をしない」という曲となっています。
よって聴衆は、「4分33秒間静まり返ったコンサートホールにいる」という非日常を体験することができます。
この曲は、ケージが経験した座禅に基づいて作曲されたそうです。
ジョン・ケージもまた、禅に興味をもった作曲家の1人なのです。
「4分33秒」はかつて、テレビ番組「トリビアの泉」で取り上げられていたので、詳しくはそちらをご覧になってください。
黙食のデメリット① 外食で行うのが難しい
外食先などでも、黙食を行うことはできます。
しかし、どうしても他人やその話し声、店内に流れる音楽やテレビの映像などが気になりやすいので、ただ食べることのみに集中するということは難しいかと思います。
外食先で黙食を行っても、マインドフルネスの効果は得づらいと思います。
静かな環境で黙食を行うには、自宅など1人になれる空間で行う方が効果的でしょう。
黙食のデメリット② 楽しくコミュニケーションが取れない
家庭などで黙食を行う場合は、テレビも見ず、黙って食事をすることになるので、楽しくコミュニケーションを取りながらの食事にはなりません。
人によっては、これが辛いという方はいらっしゃるかと思います。
「食事は楽しくするべきである。」
そのように考える方もいらっしゃるかと思います。
しかし、このコロナ禍でnickは気になる記事を見ました。
静かに食べられない子供が増えている?
記事の内容を要約したものは次のようになります。
ある中学校の生徒たちは、向かい合って食事をすることも、会話をすることもありません。新型コロナ感染対策のため、我慢の給食はもう1年以上続いています。
この学校によると、過去には、泣き出してしまう子や、もどしてしまう子もがいたそうです。さらには、無言の中で思うように食が進まない生徒も増えてきていて、食欲減退による残飯が増えているといいます。
また、ある市の学校給食センターのアンケート調査によると、9割の子どもが、以前より給食が「楽しくない」、「あまり楽しくない」と回答。
アンケートを行った市の学校では、担当している小中学校から出る残飯が、コロナ以前と比べ1日当たり、お茶碗133杯分も増えたというのです。
それって黙食が原因?
正直、黙食によって残飯の量が増えたとする論調には疑問が残ります。
それよりもnickは、子供たちが静かに食事ができないことの方が問題であると感じました。
保護者や教員の方々は、子どもが黙って食事をすることに対して、泣くほど辛かったり、吐いてしまうほど辛く感じてしまうことに危機感を覚えた方がいいと思います。
高級なレストランやバーなど、世の中にはワイワイしながら食事をしてはいけない場所だってあるはずです。
禅のお寺も同じです。
はたして、禅の修行僧の中に、静かに食事をすることが辛くて泣き出したり、吐いてしまう方がいるのだろうか?
「大人と子どもは違う」
そう言われる方もいるかと思いますが、かつて日本の食卓では、食事中は静かに食べるという風習があったはずです。
静かに食べるということは、かつては当たり前のことだったのです。
子どもだから静かに食べることができないというのは、少々的外れであるとnickは考えます。
黙食によって、今まで見えていなかった問題が見えるようになっただけだと考えます。
かつて学校給食は静かに食べていたはず
年代によって差があるかもしれませんが、nickが子供の頃は学校の給食では自分の席でただ食事をとっていたように記憶しています。
ですが、いつの頃からか、グループになって食事をすることが当たり前になっていったように感じます。
「食事は楽しく食べなければいけない」
この価値観は、いったいいつから現れたのでしょうか?
nickは、これはただの価値観の押し付けでしかないと思います。
何も、食事が必ずしも楽しいものでなくてもいいのではないでしょうか?
食事は文化である
コロナ禍ではあるものの、給食の時間に黙っていられない子どもがいることは事実です。
ADHDなど、脳機能の問題で黙っていられない子いたり、逆に感覚過敏で、騒がしいのに耐えられないという子など、教室には多様な子どもたちが1つの教室にいるのです。
なので、タイマーなどで、1分だけは静かに食べましょうなど、短い時間で実施するなどの妥協案が必要だとnickは思います。
先ほども述べましたが、日本には以前、食事の際は黙って食べるという習慣がありました。
対して、欧米などには食事はコミュニケーションを取りながら食べるという文化があります。
これらの食事の方法の違いは、文化や習慣の違いでしかないのです。
コミュニケーションを取りながらの食事も、静かに黙々と食べる食事も、どちらもできるようになった方がいいのではないでしょうか?
nickは別に、1人で黙っての食事も、大勢でコミュニケーションを取りながらの食事のどちらでもストレスを感じることはありません。
「どちらかでなければならない」と考えるから、おかしな事が起こるのではないでしょうか?
まとめ
今回のまとめは次のようになります。
・黙食には、マインドフルネスによるリラックス効果や、ストレス軽減などのメリットがある
・黙食にはデメリットもあるが、静かに食事をすることが「できる」ようになるべきである
・学校現場においては、感染拡大防止と児童生徒の多様化の観点から、タイマーなどで黙食の時間とそうでない時間を区切るのが1つの方法として考えられる
・どのような食事の仕方をするのかは、文化や習慣の違いであり、どちらが正しいということはない
現代における「黙食」は、子どもたちに取っては文化、風習の違いを理解でき、大人にとってはマインドフルネスの効果があるなど、デメリットを打ち消すほどのメリットがあると、nickは考えます。
子どもも大人も、日々の生活に「黙食」を取り入れることで、これからの人生がより豊かになると思います。
皆さんもぜひ、「黙食」を取り入れてみてください。
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