どうも、nickです。
今回は「わかる吹奏楽鑑賞」と題して、吹奏楽作品鑑賞のコツを数回に分けて解説していこうと思います。
今回鑑賞していく吹奏楽作品はこちらになります。
今回はベルト・アッペルモント作曲の「ブリュッセル・レクイエム」をわかりやすく解説していきます。
1回目となる今回は、作曲者の紹介と作品の簡単な概要を説明していきます。
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ベルト・アッペルモント(Bert Appermont, 1973年12月27日 – )は、ベルギーの作曲家です。
彼の作品は吹奏楽編成によるものが多いです。
アッペルモントはルーヴェンのレメンス音楽院に入学。「アルセナール」などの作品で知られるヤン・ヴァン=デル=ローストに師事して作曲、指揮などを学びました。
※ヴァンデルロースト本人の指揮によるアルセナールの演奏
主な作品
アッペルモントの作品には、伝説や物語を題材にしたものが多いです。
ノアの箱船
この曲はレメンス音楽院の卒業課題として作曲した曲になります。
交響曲第1番「ギルガメシュ」
こちらの曲は人類最古の物語である『ギルガメシュ叙事詩』を題材とした吹奏楽作品です。
吹奏楽コンクールでもたびたび演奏されており、アッペルモントの作品の中でも特に人気があります。
作品の概要
ブリュッセル・レクイエムはアッペルモントが、オーストリアにあるブラスバンドの委嘱によって作曲されました。
ブリュッセル・レクイエムはベルギーの首都ブリュッセルにおいて発生した連続爆破テロを題材とした作品となっています。
この事件のにおける死傷者は200人を超え、ヨーロッパのみならず全世界に衝撃を与えました。
ブリュッセル・レクイエムは爆破テロの犠牲者に捧げる曲となっております。
曲は2017年に全欧ブラスバンド選手権で初演され、その後吹奏楽版が出版されました。
鑑賞のポイント
ブリュッセル・レクイエムは4つの場面に分かれており、そろぞれの場面が途切れなく演奏されます。
- Innocence(罪もなく)
- Cold Blood(冷血に)
- In Memoriam-We shall Rlse Again(追悼、そして復活)
- A New Day(新たな日)
各場面のテンポが「緩・急・緩・急」と交互に並んでいるため、縮小された交響曲の形式をとっているとも言えます。
フランス民謡の引用
ブリュッセル・レクイエムでは、全曲を通してフランス民謡「月の光に(Au Clair de la Lune)」の旋律が引用されています。
「月の光に」はサン=サーンス作曲「動物の謝肉祭」の12曲目「化石」でもクラリネットに同じ旋律が引用される等、昔から広く親しまれている楽曲です。(下の動画31秒あたり)
アッペルモントは、このメロディは「テロで破壊された無垢の象徴」として使用したそうです。
なお、ブリュッセルの市民の約9割がフランス語を話すそうです。
そのようなことから、ベルギーを舞台としたこの曲にフランスの童謡が使われているのだと考えます。
たびたび現れる「月の光に」のメロディーを聴き取ることが、ブリュッセルレクイエムを鑑賞する上での1つのポイントになります。
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今回のまとめは次のようになります。
・アッペルモントはベルギー出身の作曲家で、同郷の作曲家であるヴァンデルローストに作曲を習った
・実際のテロ事件を題材とし、その被害者に捧げる曲である
・曲ではフランス民謡が引用されており、曲中たびたび演奏されている
これらのことを踏まえた上で、次回実際に曲を聴きながら鑑賞するポイントをより詳しく解説していきます。
いかがだったでしょうか?
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( `Д´)/ジャマタ
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