どうも、nickです。
大人のための中学音楽の回です。
今回から解説する楽曲は、次の曲になります。
今回から江間章子作詞、中田喜直作曲の「夏の思い出」を解説していきます。
この曲は中学1年生の音楽の授業でよく歌われている曲なので、みなさんも歌った記憶があるのではないでしょうか?
第1回目の今回は作曲者と作詞者の紹介、歌の舞台となった「尾瀬」の紹介をしてゆきます。
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作曲をした中田喜直(なかだ よしなお、1923年 – 2000年)は東京都出身の作曲家です。
喜直は青山学院中学部を経て1940年、東京音楽学校(現在の東京芸術大学)に入学しました。
そして翌年に本科器楽部ピアノ専攻に進学し、ピアノと作曲について学びました。
終戦後の1946年には作曲家グループ「新声会」に入会し、歌曲の伴奏を務めるかたわら、作曲家としての活動を本格的に開始しました。
NHK「ラジオ歌謡」などラジオ番組に積極的にかかわり、これらの番組において「夏の思い出」などの作品を多く生み出しました。
亡くなるまでに書かれた作品は3000曲近くといわれており、その全貌はまだ明らかになっておりません。
音楽一家であった中田家
喜直の父である中田章(なかだ あきら 1886年 – 1931年)も、息子と同様に作曲家でした。
父の章は「早春賦(そうしゅんふ)」の作曲者として広く知られています。
こちらも中学、高校の歌唱教材としてなじみ深い作品ですね。
喜直が物心ついた頃、父の章はすでに病床に伏しておりました。
そのため音楽については、作曲家兼ファゴット奏者のであった兄の中田一次(なかだ かずつぐ)から教わったそうです。
中田家の三男であった喜直は、父の面影や兄の影響を受けたことで音楽の道へと進んでいったのかもしれません。
多数の校歌を作曲
喜直は数多くの校歌を作曲しました。
こちらで紹介するにはあまりにも数が多すぎるので、興味のある方は下のリンクからご参照ください。
尾瀬を見ることなく作曲
実は喜直は、この歌で描かれている尾瀬を見ずに曲を作曲したそうです。
現代ではGoogleなどで検索すれば尾瀬の風景を画像で見ることができますが、この時代にそのようなものは当然ありませんでした。
生涯に3000曲も作曲した喜直の才能が、遺憾なく発揮された例であると考えます。
なお喜直は、「夏の思い出」を作曲した約40年後の1990年に、初めて尾瀬を訪れたそうです。
他の作品
喜直が作曲した主な作品は次のとおりです。
どちらの曲も、どこかで必ず聞いたことのある曲ではないでしょうか?
ちいさい秋見つけた
めだかの学校
作詞者について
江間章子(えま しょうこ、1913年 – 2005年)は昭和を代表する唱歌の作詞家、詩人です。
戦後すぐの1947年(昭和22年)に、NHKの当時の担当者から「夢と希望のある歌を書いてほしい」と依頼されました。
その時に江間が思い浮かんだのが、かつて訪れた尾瀬の情景でした。
その時の感動を詩にしたのが「夏の思い出」になります。
他の作詞
「花の街」
こちらの曲も、授業で歌った記憶のある方はいるのではないでしょうか?
楽曲について
「夏の思い出は」1949年に江間章子・作曲家中田喜直の2人がNHKからラジオ歌謡として作成を依頼されて作った曲です。
この歌では「尾瀬」と呼ばれる地域について歌われております。
尾瀬とは?
尾瀬(おぜ)とは、福島県・新潟県・群馬県の3県にまたがる地域になります。
その中心となる尾瀬ヶ原は日本を代表する高地の湿原帯となっています。
自然の宝庫である尾瀬には、ミズバショウ(水芭蕉)など湿原特有の貴重な植物群落が見られます。
1949年(昭和24年)にNHKのラジオ番組『ラジオ歌謡』にて「夏の思い出」が放送されると、瞬く間に多くの日本人の心を捕えました。
そしてその後、曲中に現れる尾瀬の人気は飛躍的に高まり多くの観光客が尾瀬を訪れるようになりました。
また尾瀬は、2005年にラムサール条約への登録もなされました。
後世への影響
発表以後「夏の思い出」は、日本で「長く歌われ親しまれている歌曲」の一つとして挙げられ、音楽教育における歌唱教材として使われるようになりました。
このような作曲の経緯、歌いやすさ、また自然豊かな尾瀬を、中田、江間の両名がどのように楽曲を通して表現しているのかを読み解くことが、本作品を歌い鑑賞するためのポイントとなります。
まとめ
今回のまとめは次のとおりです。
・「夏の思い出」は中田喜直の作曲、江間章子の作詞によって創作された
・本作は尾瀬ヶ原という日本を代表する湿原帯の風景を描いた作品である
・本作には戦後復興や平和への願いが込められている
今回の内容を踏まえたうえで本作を鑑賞、または歌ってみるとより深く作品のことを理解できるかと思います。
次回は「夏の思い出」のより詳しい楽曲解説にまいります。
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( `Д´)/ジャマタ
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