どうも、nickです。
大人のための中学音楽の回です。
今回から解説する楽曲はこちらです。
今回から江間章子作詞、團伊玖磨作曲の「花の街」を解説していきます。
こちらの楽曲は中学校音楽の教科書の2・3上に収められている楽曲になります。
第1回となる今回は作曲者と作詞者の紹介、解説をしていきます。
作曲者について
團伊玖磨(だんいくま 1924年 – 2001年)日本の作曲家です。
彼はオペラ、交響曲、歌曲などのクラシック音楽のほか、童謡、映画音楽、放送音楽など幅広いジャンルの作曲を手がけました。
また童謡もいくつか作曲しており、おつかいありさんやぞうさんがその例であります。
愛煙家でパイプを好んだこともあり、「パイプのけむり」という名のエッセイを30年以上にわたって雑誌連載しておりました。
生い立ちと活躍の軌跡
團伊玖磨は1924年(大正13年)、実業家、学者、政治家であった團伊能(だん いのう)の子として東京で生まれました。
團の祖父は三井財閥の総帥を務めたこともある團琢磨(だんたくま)であり、團家は相当に裕福な家庭であったと思われます。
團伊玖磨は7歳となった1931年(昭和6年)、青山師範学校附属小学校に入学し、ピアノを学び始めました。
山田耕筰との出会い
幼少の頃から作曲の道を志すことを決めていた伊玖磨ですが、彼が12歳の時、作曲の道を志す息子の将来を案じた父伊能が息子と一緒に山田耕筰の元を訪れ、耕筰に作曲の道が険しいことを説いてもらって断念させようとしたそうです。
ところが耕筰は、説得するどころか伊玖磨に作曲の道を強く薦めました。
このことがきっかけとなり、伊玖磨は作曲の道で生きていく決意を固めただけでなく、生涯耕筰を師と仰ぐようになりました。
※参考 山田耕筰と「赤とんぼ」
最先端の指導を受ける
1942年(昭和17年)に東京音楽学校(現:東京芸術大学音楽学部)作曲部に入学し、伊玖磨は作曲の勉強により力を入れていきます。
そのほかにも、日本のオーケストラにおけるパイオニア的存在であった近衛秀麿から管弦楽法や指揮法を学ぶ機会がありました。
また個人的に前出の山田耕筰から作曲の指導を受けておりました。
このように、伊玖磨は当時の日本の最先端を行く人物から音楽教育を受けることができました。
キャリアのスタート
山田や近衛などからの指導もあり、26歳となった1950年(昭和25年)に「交響曲イ調」がNHKの管弦楽曲懸賞の特賞となりました。
特賞の受賞きっかけに、伊玖磨の活動はどんどん世間に知れ渡ってゆきます。
1952年(昭和27年)には日本の数少ないオペラである『夕鶴』を大阪で初演しました。
1953年(昭和28年)には芥川也寸志、黛敏郎と「三人の会」を結成しました。
3人は1954年から1962年までに計5回の演奏会を行い、お互いに自身の作品を演奏会で発表しました。
1964年(昭和39年)には東京オリンピック開会式にて『オリンピック序曲』、『祝典行進曲』、閉会式にて『祝典行進曲』を演奏しました。
このように、團伊玖磨は後の日本における西洋音楽の発展につながるような作品の発表や活動を積極的に行ってきました。
またこの頃よりエッセイ『パイプのけむり』の連載が始まり、作曲家という枠を超えた活躍が増えていきます。
その後の活躍と晩年
1968年(昭和43年)にエッセイ集「パイプのけむり」が第19回読売文学賞(随筆・紀行)を受賞しました。
またこの年には混声合唱組曲「筑後川」を作曲しました。
なお、「筑後川」の5楽章にあたる「河口」はNHK全国学校音楽コンクール高等学校部門において課題曲として採用されたことでも有名です。
読者の中には合唱で歌った方も多いのではないでしょうか?
その後も『交響曲第6番「HIROSHIMA」』など数多くの作品を発表していきました。
しかし2001年(平成13年)5月17日 、日本中国文化交流協会主催の親善旅行で中国旅行中に心不全を起こし、江蘇省蘇州市の病院で亡くなってしまいました。(77歳没)
作詞者について
江間章子(えま しょうこ、1913年 – 2005年)は昭和を代表する唱歌の作詞家、詩人です。
彼女につきましては、以前の記事でまとめておりますのでそちらをご参照ください。
まとめ
作曲者である團伊玖磨について簡単にまとめると、次のようになります。
・團伊玖磨は裕福な家庭に生まれたことで、幼い頃より音楽の道へと進むきっかけを得られた
・当時の最先端走る音楽家からの指導により、才能を開花させた
・日本語のオペラである「夕鶴」など、日本の西洋音楽の発展にとても貢献した人物である
このような活躍を見せた團伊玖磨が、どのように「花の街」を作曲したのでしょうか?
次回は楽曲の概要と詳しい楽曲解説をしていきます。
いかがだったでしょうか?
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( `Д´)/ジャマタ
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